第五波が新種株の“自滅”によって収まったとされて以降、いまや誰も口にしない死語ながら、「氣の緩み」も影響してゐる數なのだらう。
事實、私の知ってゐる人のなかには、「けっきょくタダのインフルなんだからさぁ。もういいよ、コロナとか」と、“裸顔”で憚らない強者もおはします。
基本的な予防を心がけて生活してゐることを「順應」と云ひ、まうだうでもよくなってゐることを「狎れ」となむ云ひける。
第六波がいよいよ最高潮に達しやうとしてゐるなか、為政者は今日に“マンボウ”と銘打ったとっくに錆びた寶刀を抜く。
もし飲食店が元凶であったなら、第五波の鎮火はもっと遅かったはずだ。
東京メトロでは、集團感染により多くの乗務員が出勤できなくなった場合、「クラスターダイヤ」と云ふ減便ダイヤによる運行を實施し、全面運休と云った最惡の事態を避ける備へをしてゐる云々。
かういふ發想など、官にはおよそ期待できないことだ。