迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

つきほしひ。

2015-02-01 22:19:05 | 浮世見聞記
ろう者俳優たちの見事な摺足に毎回感心する「手話狂言・初春の会」を楽しみに、今年も国立能楽堂へ。


「磁石」は田舎人の朴訥そうな表情につい引っ掛かる都会人への警鐘と諷刺であり、「佐渡狐」を演じた役者たちの卓越した手の動きに、ベテランの味わいといふものを堪能する。


「首引」の姫鬼は女性演者がつとめ、袖口からのぞく小さな白い手が役柄によく合い、不思議と可愛らしい魅力を醸しだしていた。


日本の伝統芸能は、男性がつとめることを大前提として完成されているため、女性(女流)がそれをつとめると、私はきまって強い違和感をおぼえる。


しかし、この手話狂言に関してだけは、それがない。


これこそが手話狂言の、もうひとつの魅力なのだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« そしてかみだのみ。 | トップ | はなにたはむれしほらしや。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。