迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

年齢(とし)は喰ふものにあらずして。

2019-09-22 23:26:00 | 浮世見聞記


午後から天気が怪しくなり、急遽外出先を変更したことで、上方落語の名演を収めたCDを廉価で手に入れるご縁に巡り逢ふ。


笑顔そのままに明るゐ先代林家染丸の噺も魅力的だが、紆余曲折を経て戦後に重寳された橘ノ圓都の藝に、やはり耳を惹かれる。

巧まず、落ち着ひた調子で運ぶ濃密な上方言葉から、クスッと笑ひを誘はれる幸せは、味に例へるとなんであらう……?


かういふ〝名人〟はまう出ないとかなんとか、さういふ無い物ねだりはしたくない。

當世にも、上質な藝能者はちゃんとゐる。


ただ、あまりにも駄モノが多過ぎて目立たないだけで……。






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