『24日に行われた西村泰彦・宮内庁長官の定例記者会見の概要は次の通り。

 ――東京五輪の開会式や競技観戦の調整状況は。

 関係機関と調整中だ。ただ、五輪を巡る情勢として、天皇陛下は現下の新型コロナウイルスの感染状況を大変ご心配されている。国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックの開催が感染拡大に繋(つな)がらないか、ご懸念、ご心配であると拝察する。五輪・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないように、組織委員会をはじめ、関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい。

 ――陛下が五輪パラが感染拡大のきっかけになることを懸念されているのか。

 それは私の拝察だ。陛下は現状を大変心配されている。日々、私が陛下とお話ししている中で肌感覚でそう感じている。

 ――これは陛下のお気持ちか。

 私の受け取り方で、陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはない。そこは誤解がないように。』──





なぜ、ミカドがそこまで宸襟を悩ませるに至ったのかは、誰も「推察」しやうとしてゐない。

政治的發言だのさうでないだの、そんな話しばかりで、これをきっかけに茶番大運動會の是非を含め、この恐ろしく多種化してしまった人災疫病の終熄をめざした對策について、誰ひとりとして考へやうとしてゐない。


このあたりでいい加減に気が付くべきだ──

宮内庁を介して、ミカドはさう願っておはすのではないか?


それを為政者どもは無視してかかり、いまや叡慮を蔑ろにするタダの逆賊に成り下がってしまった。


かたや學者どもは、おのれを絶對に正と信じ込み、他を絶對に誤と決めつけて揚げ足を取る職分そのままに、お家藝の屁理屈をこねて、不毛の寝言を宣ふばかり。



國民が一致團結しなければ、この國難は乗り越へられない──


ミカドの叡慮を理解せず──出来ず──、いたずらにお祭り騒ぎを煽って“後の祭り”にしかねないのは、まさにかういふ輩である。