人災疫病の新作に、ニンゲンが先を越されて久しい。
いま賣り出し中の“デルタ株”とは印度原産の疫病で、すれ違っただけで感染云々、だうやら今後の主流となる恐れ云々。
かうした空気感染の危険性につひては、昨年からそこそこ指摘されてゐたが、飛沫と接触が原因の主流と考へられてゐたため、今まで鼻であしらはれてゐた感がある。
そのほか、英國原産の“アルファ株”、南阿原産の“ベータ株”、葡萄牙原産の“ガンマ株”──
しかもそれぞれに派生型も確認されつつあるとかで、かうまで増殖されるとまう頭がこんがらがってくる。
ちなみに、感染すると發熱や咳、味覺や嗅覺の麻痺がない代はりに、頭痛や喉の痛み、鼻水と云った、風邪と似た症状が表れるため、素人には區別がつきにくい云々。
しかもワクチン接種の効果すら弱めるとかで、ならば何が効果的なのか……?
有効な予防はやはり、換気とマスクの着用、と云ふことになるさうだ。
感染すると實に面倒だが、その予防は實に簡単なのである。
むしろ、肩透かしを食った氣分になる。
が、その簡単なことの出来ない人口の多さが、この疫病を人災化させたのである。
簡単なことも出来なくて、では何だったら出来るのだらう──?
答へは目の前で繰り廣げられてゐ、ほら、その景色だ……。