地下鐵博物館の特別展「東京メトロ20年のあゆみ展」を觀る。
私にはまだ何となく馴染みがある“營團地下鐵”から、民間運營の“東京メトロ”に移行してもう二十年が過ぎたかと、今さらながら感慨に浸る。
民間では莫大な費用のかかる地下鐵建設を、官の財力(チカラ)で推進すべく設立されたのが帝都高速度交通營團であり、そのために自力で新橋まで開通させた果てに橫合ひから官に持って行かれた早川德次の悲哀は、長く心に留めておくべき歴史だ。
民営化後は車両も設備も、時代の要請に合はせて弛まぬ改良を重ねてゐることはふだん利用してゐる一人としてよく感じることであり、東京メトロについては、他社線ほどには使ひ勝手の惡さを感じることもない。
私はこれからも、その時その時の浮世の流れに乗せられつつ、東京徘徊の手段に活用するだらう。