迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

てつみちがゆく──昭和の“個性”だった京浜急行800形

2019-06-27 20:17:00 | 鐵路

京浜急行の800形が、今月十九日をもってつひに引退した。



登場からどんなに時間を経ても、つねに“新車”らしい雰囲気を失はない、昭和らしい個性に溢れた車両だったと思ふ。



1500形はいかにも新型車じみたあざとい外観が嫌ひなので論外として、これで京浜急行の車両は総て、同じ顔だらけになってしまったわけだ。



駅で、

「どんな車両が来るかな……?」

との楽しみは、現在(いま)どの鉄道からも喪はれつつある。



確かに、電車を写真に撮るといふ楽しみも、私から喪はれつつある。



しかし、それでもよい。



用事がある時だけ利用する、移動用電動箱と割り切るだけのこと。



過去ばかりを見る人はまう終わってゐる──

と、亡き學者は言った。


そこで、私は付け加へさせていただかせていただく。


『いまの浮世から未来への期待(ゆめ)を語る人は、もっと終わってゐる』




みずからの手で記録し集めた資料から、



明日の計画を練る──


それが私の生き方。




京浜急行800形、

お疲れさまでした!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« てつみちがゆく──並木橋続俤(... | トップ | 虹の聲。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。