迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

伝統美に癒されて…。

2010-01-29 22:58:33 | 浮世見聞記
丸善・日本橋店三階ギャラリーで開催中の、「奈良絵本の宇宙~日本の絵本の原点~」展を見てきました。

奈良絵本とは、平安時代からの絵巻物の伝統を受け継ぎ、室町後期から江戸中期にかけて制作された、現在の絵本の原点。

やまと絵の色彩美はそのままに、線を簡素にしたどこか大津絵にも似た可愛らしい画風は、見る者に物語の世界をストレートに伝えると同時に、優しく誘なう温かさをも感じさせます。

「竹取物語」や「一寸法師」といった日本人には馴染み深いおはなしを、日本人に馴染み深いおはなしにしたのは、これら奈良絵本の流布に負うところも大きかったのではないか、と思いました。

奈良絵本の存在は現在あまり知られていないとのことですが―かく言う私も、DMを手にするまでは知りませんでした―、大切に伝えていきたい文化の一つであることに、間違いありません。


見れば、お向かいの日本橋高島屋では「和NEXT 伝統的工芸品展 2010」が開催中とのこと。

「どれどれ…」と中央通りを渡って八階の催事場へ。

北海道から沖縄までの伝統工芸品が一堂に会したこの催し、京扇子のブースでは檜扇に彩られた鳳凰にため息をつき、博多織のブースでは博多帯を手に取って、すっかりご無沙汰している福岡への旅情を誘われるなど、「我が人生、まだまだ捨てもんじゃないな…!」と、思いがけずいい目の保養をさせていただきました。

やっぱり、“いいもの”は何でも目にしておくべきですね(^-^)v
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