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先週末の夕方、忘驛傍の居酒屋の店先で、臺代はりの大樽を囲んでオトコたちが豪笑してゐた。
お仲間と酒を樂しんでゐると云ふより、時流に抗する己の姿を道行く人々に見せつけてゐる、そんなわざとらしさがありありとしてゐた。
それがカッコいい、とでも思ってゐるやうだった。
しかしそれは、私のやうな人種のネタにされるだけのこと。
そんなくだらない自己主張など、己の日頃の無能をいたずらに公衆へ晒してゐるだけでしかないところに、かういふ人種の哀しさがある。
──これを見ても、病原菌は店なのかお客なのか、はっきりしてゐると云ふものだ。
観に行きたいと思ふ公演はあれど、いまはまだまだ我慢だ。
どんなお客が来るかわからないし、また演者とても、充分にアヤシイのがゐるによって……。