バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

出生前血液診断のニュースから思うこと

2012年08月30日 | 障害児の親
昨日報じられていた”妊婦の血液で出生前診断”というニュースについて
ネット上でもいろいろな意見が述べられているけど...。
非常に複雑な心境。


私も高齢出産で、もちろん妊娠時に”出生前診断”なるものは知っていた。(病院でも一応確認されたし。)
でも、羊水検査では流産のリスクがあると聞いていたし
ずっとほしくて、結婚2年目にして授かった赤ちゃんを
 ”異常がある”と言われて、”じゃあ、いりません”と言えるのか? と考えたら
そんなことできるはずもなく、だから検査は受けなかった。

もちろん、その時には生まれてくる子どもに障害があるとは夢にも思わなかった。
五体満足で、元気なかわいい赤ちゃんのママになれるものと思っていたんだよね。

だからこそ 我が子に障害があると言われたあの時のショックと来たら...。
という話は このブログにも既に何度も書いている。

さすがに ”そんな子ならいらない”とは思わなかったけど
”そんな子を私が育てるのは無理だ”とは思った。


でも、あの時 何が悲しかったんだろう。何が辛かったんだろう。

「プラダーウィりー症候群なんて、そんな”食欲モンスター”みたいな子
 恐いよ、無理だよ。私はどうすればいいの? 何で私の子が障害児なの?」

あの時は私の中に”障害児は不幸だ。障害児を育てる親も不幸だ。”
そういう考えがあったのは事実。

でも、私はまだ何も知らなかったんだよね。
プラダーウィりー症候群のことも。
障害者のことも。
何1つわかってなかった。
だから、恐かった。とても不安だった。
ネガティブでマイナスなイメージしか持てなかったから
自分は何て不幸なんだろうと そう思ってただただ泣いていた。


あれから9年が過ぎ...
私は今でもただ 一人のPWSの男の子の親にすぎず
だからPWSのことが全部わかっているわけでも
障害書のことをよく理解できているわけでもないけど
でも、9年の間に自分が体験した範囲で
PWSだからといってみんながみんな食欲モンスターではないことも
障害者が障害があるからというだけで不幸ではないことも知っているし
息子との生活にそれなりの幸せを感じて、日々に感謝して生きている。

そりゃ、いまでも息子が健常児になれるなら
どんなことでも手を尽くしたいとは思うけど
今の、PWSという障害を抱えたバンビも ただ我が子であるというだけで
私にはたまらなく愛おしい存在。

バンビは確かに医学的には「異常」なのかもしれないけど
今の私には 掛け替えのない、一人の人間として生きている命 なんだよね。


妊婦が血液検査でお腹の中の我が子の状態を知りたいという
その気持ちは まぁ私もわからなくもないから否定はしない。

でも、知ってどうするのか?
染色体異常があるとわかったら中絶するの? お腹の中の命を殺すの?
もし、それはしないとしても、臨月までどんな気持ちで過ごして出産に臨むの?
確かに、選択の自由はそれぞれの親にあるんだろうから 他人が口出す問題ではないのかもしれないけど
でも、どっちにしろ辛いような気がしてならないんだよね。

(血液検査で)技術的にできる ということと
実際それをするかどうか(していいかどうか) ということは別の話だと思う。


障害者は障害があるというだけで、生を抹消されなければいけないですか?

”ダウン症はどうせ短命”とか言う人もいるけど、短命だとわかってると生まれちゃいけないの?
(実際、今は医学も進んで寿命は以前より伸びているはず。)

”重い障害のある子には苦しい思いをさせるだけ。そんな子を産むのは親のエゴ。”
誰がそんなことを言い切れるのか?
例え、病気を抱えている人でも、生まれてきた そして生きている喜びは感じられると私は思う。

”社会福祉で面倒見なくちゃいけない人間を増やすだけ。”
健常に生まれてきたって、事故や病気でそうなることもあるし
人間 年とれば誰でも社会に支えられて生きていくんだと思うけど。

ネットは匿名だし、誰でも何でも書けちゃうから恐い世界だと思う。
いちいち議論するつもりはないけど。


そもそも ”我が子に障害がある”というだけで 即、不幸と感じないで済む世の中になればいいんだよね。
そのためには、もっとやらなくちゃいけないことがある。
障害者がもっと生きやすくなるように。
(できたら医学もそういう方向で進化していってほしいよ。)
そして、障害者自身のことを知らせていかなければいけないのかもしれない。

障害がなくても不幸な人がいるように
障害があっても幸せに生きている人だってたくさんいるということを。
親が大変かと言えば、そりゃ大変なこともたくさんあるけど
そもそも楽な子育てなんてどこにもないんだし
親として苦労する中で 少しでも我が子に成長が見られれば
それだけで幸せだったりするんだよね。
たぶん、それは普通の子育てと同じだと思う。

健常者だって就職に苦労する今の世の中
例え作業所で安い賃金しかもらえなくても、居場所と行き場所があって
本人が日々の暮らしに満足できるなら それなりに幸せかもしれない。

障害者だって 社会の一員。
確かに社会的には弱者なのかもしれないけど、命に本来優劣はない。

そういうことをもっと伝えていきたいな と思う。
そして、お腹の中の我が子に染色体異常があるという理由で
その命を消してしまうようなことがないようにと願う。

メールはこちらまで → bambi-suzu@mail.goo.ne.jp
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2学期はじまる

2012年08月30日 | 日々の出来事
毎日暑い日が続きますが、皆さんお元気でしょうか?
バンビも私もさすがにちょっとこの暑さがこたえてるカンジです...。


さて、うちの区では他よりひと足早く、今週月曜日が2学期の始業式。
昨日からは給食も始まり、やっと通常の生活が戻ってきました。

夏休みも長いようで 過ぎてしまえばあっという間だったかなー。

プラダっ子は基本的に真面目で頑張り屋さんが多いようで
バンビも宿題は可能な限り毎日 自分から頑張って早々に終わらせてしまい
そういうところはほんとに楽だなぁ と思う。


バンビは毎年夏の間に身長が伸びるんだけど
今年は成長ホルモンのおかげか、2学期の身長・体重測定では3cm伸びていて
先生も驚いていた。
会う人、会う人 ”背が伸びたねー”と言われて、本人も嬉しそう。
まだ2ヶ月だけど、お腹まわりはちょっと痩せてきたし
まん丸だった顔も少しシュっとしてきた気がする。
やっぱりGH効果なんだろうねー。ありがたや、ありがたや。

プールも近所のスポーツジムの短期スイミングに3日間通っただけだけで
私とは一度も練習しなかったけど
学校の検定で、9級から8級(5m泳ぐ)に進級した。
頑張った成果を認めてもらえる っていうのは、子どもにとって何より嬉しいことだろうね。

そんなこんなで、スタートした2学期。
今月末は運動会、秋には音楽会と行事も目白押し。
また慌ただしい日々が始まるなー。

メールはこちらまで → bambi-suzu@mail.goo.ne.jp
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