バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

障害者は特別な存在か?② ~「1/4の奇跡」を観て~

2011年08月29日 | suzuのメッセージ
タイトルの「1/4の奇跡」の1/4って何なのかは前からずっと気になっていたんだけど
その話の核心に触れる頃に一緒に見ていたバンビがグダグダ言い始めた。

まぁ、映画の展開が淡々としてるというか思ったより子どもの関心は引かない作りで飽きてきたのと
部屋の空調があまり聞いてなくて蒸し暑く、眠くなってきたのもあると思うんだけど。

見かねた先生が保育室の方に連れ出してくれたので助かったのだけど
そんなこんなでガタガタしていて肝腎のところを集中して聞けなかった。
(周りの方も同じ目に合わせてしまったと思う。ご迷惑おかけして申し訳ありません。)

で、横目で観ていた内容からしてどうも”1/4”というのは、鎌状赤血球とマラリアの話から来ているらしい。
私はもちろん素人なので、医学的なところはよくわからず、ネットで調べてみたらどうもこんなカンジの話(勝手にリンク) → コラム「異常な遺伝子?」

つまり、ある地域(マラリアが発生する)の部族には鎌状赤血球症という貧血を起こす遺伝子疾患の人が3/4いるんだけどその人たちはマラリアに耐性があるからかからなくて、残りの1/4の人(鎌状赤血球がない人)はマラリアにかかる。
でも、3/4の中の2/4は鎌状赤血球症で死んでしまう?
3/4の中の1/4の人は劣勢遺伝で、鎌状赤血球症にはなるんだけど症状が重篤ではなく、マラリアにもかからず生きられる。つまり子孫が残せる?
(ここら辺、逆かもしれません。遺伝のことは難しくて、私にはよくわからない。)

山元先生はその1/4の人々を”障害がある人”と言っているようで
この人達が犠牲となって障害を持って生まれてきてくれてるからこそ、残りの人が生き残れるんです。
だから、障害者や病気のある人は素晴らしい、特別な存在なんです。
という展開のようだった。
(ちゃんと聞いてなかったから不正確かもしれません。ごめんなさい。)

それが、「本当のことだから」ってことらしい。


うーん、でもなぁ。
もしちゃんと聞いていたとしても、たぶん私はこの論理の展開にはついていけなかったと思う。

同じことを思ったらしい人のブログを見つけたので、何のお断りもなく勝手にリンク貼っておきます。→ 「1/4の奇跡 善意に潜む恐怖」
私の説明より、もっとわかりやすく書いてあるから。


その後、話はペルーの古代文明の話も交え
”障害者は宇宙とつながっている特別な存在”
”古代では特別な存在として崇められていたようだ”という話になっていき
いやー、私もスピリチュアルなことキライってわけでもないけど
ちょっとそれは着いていけないかも と思ってしまうに至りました。

伝えたいと思うことはわかるけど、医学的にとか科学的にどうなの? 
裏がちゃんと取れてる話なの?
そうじゃないのに(そうじゃないかはわからないけど) ”本当のことだから”と言って、映画や本なんかでそれを伝えてしまうのはどうなんだろう?

あれを観て、”障害者は特別な存在なんだ。障害者がいるからみんなの命がつながってるんだ。だから障害者は大切にされなければいけない。”って思い込む人が増えていくとしたら問題ありそうだよなぁ... というのが私の個人的見解。

何かを”特別”って言い出すと、それ以外は”特別じゃない”ってことになるんじゃないかな。
特別なら良くて、特別じゃなきゃダメなのか?
健常者だって、障害者だってみんな同じ。みんな生きてる尊い命。
映画の中にはそういう話も出てくるんだけどなぁ...。


もちろん物事にはいろんな見方があり、人によって考え方も違って当たり前。
感動する人を否定もしないし、アンチの人に乗っかるつもりもない。


ただ、1つ言うなら ドキュメンタリー映画の出来としては今ひとつ。
初監督作品だとか、予算もなかったとかいろいろ事情はあるんだろうけど。

例えば、ペルーの遺跡と子ども達の作品がそっくりだって言うんだけど
対比して見せる写真の解像度が粗すぎてぼんやり見える程度。
”そう言われればそう見えなくもないかな?”っていうカンジだし
ナレーションも素人感ありありで、インタビューのコメントも周りの雑音がうるさすぎて聞き取りにくいしで残念。
構成も単調で、もう少しメリハリ付けてまとめればいいのになってカンジ。
(特に子どもに見せるなら)
自主上映とは言え、お金を取って人に見せるんだからもう少し何とかしてほしいところかな。

でもまぁ、人のやってることにケチつけるだけならたやすいことで。
こうやって志を持って、それを人に伝えようと情熱を傾けていること自体は素晴らしいと思いました。

是非皆さんも機会があれば見てください。

メールはこちらまで → bambi-suzu@mail.goo.ne.jp

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4 コメント

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はじめまして (めぐ)
2011-08-31 10:53:01
初めてコメントします。

二歳のプラ女児と六歳の健常児の母です。

私は映画は見てなくてこの本を友人からいただきました。

私は24時間テレビの発想は受け付けないのですが…
この本はだいぶ助けてもらってました。

本の内容は生きる価値って何か?という内容だったと思います。

スピリチュアルな面ももちろんあるので好き嫌いありますが私の印象は障害児を通してになるけど

世界中の人にありのままの自分を受け入れて自分とあの人という存在を大切にしようという内容を伝えたかったかなと感じました。

障害児の家族というより育児して悩んでるママに読んでもらうと良いなと感じた本です。

我が家の長女は本当にのんびりで取り柄もなく
否定的な言葉ばかり私の口から出てしまう子なのですが

そんな子でもその子なりの良さをありますよお母さんと言われた気がして

躓いた時に読んでます。

↑私の育児が下手なだけですが

私の感想長々失礼しました。

返信する
めぐさん♪ (suzu)
2011-08-31 11:40:55
はじめまして。コメントをありがとうございます。

私自身はスピリチュアルなものもキライではないし、本も読んでみようと思っているところです。

映画は私なりに引っかかるところはあるものの、全体を通してのメッセージ(”ありのままを受け入れればいい”ってことでしょうか)には大いに共感もしました。

物事にはいろんな見方・受け止め方がありますよね。
私としてはそのどれをも否定しているつもりではないのですが、もし気に障ったらごめんなさいね。


>我が家の長女は本当にのんびりで取り柄もなく
否定的な言葉ばかり私の口から出てしまう子なのですが

私もめぐさんの気持ちはとてもよくわかります。
でも、きっと取り柄がないんじゃなくて、わかりにくい・見えにくいだけなのかもしれませんね。

うちの息子も、欠点やできないこと・苦手なことがたくさんありますが、数少ない取り柄(気持ちが穏やかで優しいこと とか)は、それだけでもういいやと思わせられるくらいの、彼の魅力だと思っています。
(単なる親馬鹿?)

良かったらまたブログに遊びにいらしてくださいね。
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Unknown (きょん)
2011-09-01 08:18:03
1/4にそんな発想があるとは
んー。私は元々本当のことなんてあんのか?と思ってたし、特別な存在なんて状況によって変わっちゃうし、大切にするのはほとんどの人が自分と自分の周りだけじゃないの?
と思ってたけど、そんな私を他人のことまで勝手に心配しちゃう人に変えた我が子って特別な存在かも?
なんて思ってます
返信する
きょんさん♪ (suzu)
2011-09-01 11:44:05
あ、わかるわかる。

私にとってのバンビは、私の生まれてきた意義を教えてくれた特別な存在。
もう思いっきりスピリチュアル ですわ(笑)

ただ親が障害のある我が子を特別かも と思うのと、一般論として「障害者は特別な存在だ。」って言うのとはぜんぜん別で、後者は行き過ぎちゃうとちょっと恐いなー っていうのが、私の感覚かな。

きっと大ちゃんは、これからもどんどんきょんさんを変えていきそうだよね。
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