テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ルージュの美術史 ~

2025-02-21 22:03:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あしたはァ、にゃんこのひィ、なのでスゥ~!」

「がるる!ぐるるるがるっる!」(←訳:虎です!あふれる猫グッズ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 明日2月22日は『猫の日』とあって、

 猫型スイーツや猫デザインの雑貨が目立つこの頃、ですね。

 全ニャンズが猫又になるほど長生きできるよう願いつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 色の物語 赤 ――

 

 

 著者はヘイリー・エドワーズ=デュジャルダンさん、

 原著は2021年に、画像の日本語版は2024年11月に発行されました。

 仏語原題は『ROUGE DE POMPÉI À ROTHKO』、

 『ポンペイからロスコまで』と日本語副題が付されています。

 

 『黒』や『青』、『ゴールド』『ピンク』など、

 色をテーマとする《色の物語》シリーズ、

 この御本は、表紙を見れば一目瞭然!の

 『赤 ROUGE』――

 《赤》を用いたアート作品の数々が紹介されていますよ。

 

 というか、正確には、

 《赤》の布地、

 赤色の布や衣服が描かれた絵画の数々、

 とすべきでしょうか。

 

「あかいィ~いふくゥ?」

「ぐるるるがるるぐるるるぅ?」(←訳:そんなの珍しくないでしょ?)

 

 人類史に於いて、

 赤い布地で作った衣服は

 ”特別なもの”でした。

 

 日本では、昔から、

 子供の晴れ着を”赤いおべべ”と呼ぶことがありますが、

 古代ローマ社会で、

 トーガ(ローマ市民が着用した外衣、正装用の上着)が赤といえば、

 たいへんな富豪であることのあかし、でもありました。

 

 何故なら、たっぷり長いトーガの生地(5~6m)を

 真っ赤に染め上げるには、

 カイガラムシから抽出した染料もたっぷり必要で、

 この染料がやたらとお高いし、

 布を染める手間もかかるし、という訳で、

 赤いトーガを身にまとえるのは

 ごく限られた大金持ちのみ。

 

「むむゥ! ここにもォいまスゥ!」

「がるぐるがるる!」(←訳:赤い布地信奉者!)

 

 ええ、いますね。

 本文37ページでポーズをしているのは、

 ナポレオン・ボナパルトさん。

 

 皇帝になるより前の肖像画、

 『第一執政ナポレオン・ボナパルト』では、

 しかし、既に権力の頂点を意識していたのか、

 共和国執政のきらびやかな赤い官服に身を包んでいます。

 

 この作品の解説文の中で、

 著者・エドワーズ=デュジョルダンさんは、

 

 《古代ローマでは

  紫を帯びた赤は皇帝の色でした》

 

 と、述べていますよ。

 

「こうていィ、でスかァ~…」

「ぐるるるるがるっるるるる~」(←訳:やめとけば良かったのにね~)

 

 皇帝の色、

 枢機卿の色、

 そして、

 いうまでもなく、血の色。火の色。

 

 白や黒や青ではない、

 一瞬で眼を惹きつける《赤》、

 危険な香りがする《赤》の絵画の歴史を

 力強く追いかけてゆくアートブックは、

 図鑑好きな活字マニアさんに、

 歴史好きな方々にもおすすめです。

 書店さんのアート本コーナーで見かけたら、

 ぜひ、《赤の世界》を覗いてみてくださいね♪ 

コメント
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