「こんにちわッ、テディちゃでス!
あしたはァ、にゃんこのひィ、なのでスゥ~!」
「がるる!ぐるるるがるっる!」(←訳:虎です!あふれる猫グッズ!)
こんにちは、ネーさです。
明日2月22日は『猫の日』とあって、
猫型スイーツや猫デザインの雑貨が目立つこの頃、ですね。
全ニャンズが猫又になるほど長生きできるよう願いつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 色の物語 赤 ――
著者はヘイリー・エドワーズ=デュジャルダンさん、
原著は2021年に、画像の日本語版は2024年11月に発行されました。
仏語原題は『ROUGE DE POMPÉI À ROTHKO』、
『ポンペイからロスコまで』と日本語副題が付されています。
『黒』や『青』、『ゴールド』『ピンク』など、
色をテーマとする《色の物語》シリーズ、
この御本は、表紙を見れば一目瞭然!の
『赤 ROUGE』――
《赤》を用いたアート作品の数々が紹介されていますよ。
というか、正確には、
《赤》の布地、
赤色の布や衣服が描かれた絵画の数々、
とすべきでしょうか。
「あかいィ~いふくゥ?」
「ぐるるるがるるぐるるるぅ?」(←訳:そんなの珍しくないでしょ?)
人類史に於いて、
赤い布地で作った衣服は
”特別なもの”でした。
日本では、昔から、
子供の晴れ着を”赤いおべべ”と呼ぶことがありますが、
古代ローマ社会で、
トーガ(ローマ市民が着用した外衣、正装用の上着)が赤といえば、
たいへんな富豪であることのあかし、でもありました。
何故なら、たっぷり長いトーガの生地(5~6m)を
真っ赤に染め上げるには、
カイガラムシから抽出した染料もたっぷり必要で、
この染料がやたらとお高いし、
布を染める手間もかかるし、という訳で、
赤いトーガを身にまとえるのは
ごく限られた大金持ちのみ。
「むむゥ! ここにもォいまスゥ!」
「がるぐるがるる!」(←訳:赤い布地信奉者!)
ええ、いますね。
本文37ページでポーズをしているのは、
ナポレオン・ボナパルトさん。
皇帝になるより前の肖像画、
『第一執政ナポレオン・ボナパルト』では、
しかし、既に権力の頂点を意識していたのか、
共和国執政のきらびやかな赤い官服に身を包んでいます。
この作品の解説文の中で、
著者・エドワーズ=デュジョルダンさんは、
《古代ローマでは
紫を帯びた赤は皇帝の色でした》
と、述べていますよ。
「こうていィ、でスかァ~…」
「ぐるるるるがるっるるるる~」(←訳:やめとけば良かったのにね~)
皇帝の色、
枢機卿の色、
そして、
いうまでもなく、血の色。火の色。
白や黒や青ではない、
一瞬で眼を惹きつける《赤》、
危険な香りがする《赤》の絵画の歴史を
力強く追いかけてゆくアートブックは、
図鑑好きな活字マニアさんに、
歴史好きな方々にもおすすめです。
書店さんのアート本コーナーで見かけたら、
ぜひ、《赤の世界》を覗いてみてくださいね♪