著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」
今日は、桜や緑を愛でながら列車で長崎に向かっています。
さて、今日は、おたふく風邪の様に、私の片方の頬がパンパンに晴れてます。
昨日、親知らずの歯を抜きました。
顔は腫れてますが、気分は不思議なくらい良いです。
親知らずは、第三大臼歯または智歯とも呼ばれ、20歳前後に一番最後にはえる歯です。
英語でwisdom tooth 、人に知恵がつき賢くなったころに生えてくるので智歯、なるほど!
日本での呼び名「親知らず」は、乳児の歯の生え始めとは違って、親がこの歯の生え始めを知ることはないから親知らずと呼ぶそうです。
親知らずは、原始人の頃には正常にはえて、使えていたらしいです。
現代人は火を使い、軟らかいものしか食べなくなったため顎が小さくなって、親知らずのはえるスペースがなくなり、歯茎から顔を出すか、埋まっているかなんだそうです。
20代で、上の二本を抜いた時は、一般の歯科でペンチ?みたいなもので、歯医者さんが、一時間くらい格闘して抜いてくれました。
その時は、歯茎が化膿して、相当痛みました。
そして、最近…私の残りの親知らず、静かにしていてくれれば良かったのですが、下の親知らずが歯を押して、奥歯が虫歯になってしまい、50代にして下の親知らずも、とうとう抜くしかないということになってしまいました。
さて、今回は、口腔歯科にての手術。
一般歯科の先生に紹介してもらって行った口腔歯科の先生は、
「今日、抜きますか?」
覚悟してた私は「はい、お願いします。」
先生「(カルテを確認して)あー50代かー、癒着してますよ、だいたい、おそらく。さっきの人もそうでしたもんねー。」
「麻酔します。息を吐いて〜。」
とにかく、上手に、麻酔の注射をし、神経に当たる危険もないと説明しながら、安心させてくれて…。
これなら、虫歯になる前に、早く抜いておけば良かった。
横向きにはえた親知らずが、押して虫歯になるとは、良く知らなかった…。
20代でのあの痛い思いと怖さで、抜歯をついつい避けて来たのに、50代では、癒着して抜けにくいので、お医者さんも大変そうでした。
親知らずの抜歯は、普通の抜歯に比べて格段に難しい…。
抜歯というよりは、歯茎を切開し、歯を割ってドリルで削っていく手術をして、親知らずを摘出します。
例えるなら…コンクリート(骨)の中に埋まった石(歯)を取り出すようなものなので、高い技術が必要なのです。
専門のベテランの先生が、「あー、まだ、まだ」と言いながら、格闘してくれました。
体感では、30分くらいかかった様に感じました。
私の方は、怖い気持ちも感じながら、顎が外れるんじゃないかというくらい口を大きく開け続けています。
怖さを逃すように、息を吐きながら、身体の力を抜けたおかげで、
終始穏やかで居られました。
頑張ってくれているお医者さんに有り難いと思いつつ、
お医者さんが、「ふー」とため息をつく度に
私は、つい「申し訳ない気持ち」になってしまいます。
その度に「私は悪くない、悪くない。」と、自分を責めない様に心の中で唱えました。
毎日、こんなハードな親知らずの抜歯手術をしてくれている先生、
体力と気力が要るんだなあと感心しました。
「年頃の息子さんか娘さんがおられるなら、早く抜いといた方が良いですよ。20代だとスルッと抜けますからね。」
先生のご苦労の滲み出たお言葉、息子たちに伝えます。
こうして、自分を責めなかったおかげで、「すいません。」ではなく
心から「ありがとうございました」と思いました。
口が開けられず、大きく会釈して帰って来ました。