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『1920年代モダニズム詩集』の中の竹中郁

2022-08-04 18:05:04 | 
『1920年代モダニズム詩集』(季村敏夫・高木彬編・思潮社)をボチボチと読んでいる。



労作である。50人ほどの詩人が取り上げられている。
資料収集には困難を伴っただろうと想像される。今となっては無名の人が多い。
兵庫県の詩の歴史の表に出なかった人が多く取り上げられている。
中に竹中郁のこれまで読んだことがなかったものがある。
詩集には収載されなかったもの。
「航海の手帳(印象のきれぎれ)」という詩篇。
9篇の短詩が載っているが、そのうちの1篇のみ紹介する。

   「門司」
何て美しい石炭だろう。 石炭は労働者の手から手へ渡つて、いよいよ火夫が投げ込む時には、かつと眼をむく宝石だ。


最後に「大正期の児童詩十編」というのがあるが、これも一篇だけ。

   「てんたう虫」 (尋六 水野正義)
草葉のかげから見てゐたら、
てんたう虫がはつてきて、
すすきの先まで行つて、
ぱアつと、
となりのすすきにとオまつた。



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