今、昔に書いた孫詩をFB(読者限定)上に順次上げているのだが、その関連で金子光晴の詩集『若葉のうた』を再読してみた。
優しく柔らかい詩を書いている。
「問答」後半部分。
つみ木の門のようにあぶなっかしく
ひとりで立上った孫娘に、じじが
ほんとうは誰に似てるのときくと
しわがれた声で、わんわんと言う。
こんな詩を書く詩人です。
金子は筋金入りの反骨詩人というイメージがわたしにはあったので、この詩集は全く別物という感じ。
出版当時はとかくの批判もあったという。
関東大震災の後、西宮の縁者のところに一時住んだことがあり、そこで着想した詩もある。
そのことも詳しく知りたくて、このほど図書館からお借りしてきた。
『金子光晴自伝・詩人』(講談社文芸文庫刊)。
読んでみたが、少年、青春時代は、聞きしに勝る放蕩無頼ぶりだった。
それを赤裸々に書いている。凄い人です。
およそあのような孫詩を書く人とは思えない。
『コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。無頼の人も多数登場。