続 コーヒーカップの耳
11「営業」
俺 営業しとるやろ。昼間は お客さん相手にしゃべるばっかりや。そやから 家に帰った時ぐらい 静かにしときたいんや。ところがや 疲れ果てて帰っとるのに うちの嫁はん うるさいんや。俺が帰るん待ちかねて 子どものことやら 近所のこと 親戚のこと しまいにテレビで見た話までしよるんや。ほんで ゆうべや。いつもやったら辛抱して聞いたるんやけど 俺 ホンマ 疲れてたんや。そやから 丁度 そばにおった猫に 「おいお前 ちょっと相手になったれ」ゆうて ポーンと嫁はんの方へ抛ったんや。そしたら トラ 思い切り嫌な顔しよった。「なんで俺があんたの代わりに相手せなあかんねん」 ゆう目ェで 俺の顔 ジーッと見よった。
11「営業」
俺 営業しとるやろ。昼間は お客さん相手にしゃべるばっかりや。そやから 家に帰った時ぐらい 静かにしときたいんや。ところがや 疲れ果てて帰っとるのに うちの嫁はん うるさいんや。俺が帰るん待ちかねて 子どものことやら 近所のこと 親戚のこと しまいにテレビで見た話までしよるんや。ほんで ゆうべや。いつもやったら辛抱して聞いたるんやけど 俺 ホンマ 疲れてたんや。そやから 丁度 そばにおった猫に 「おいお前 ちょっと相手になったれ」ゆうて ポーンと嫁はんの方へ抛ったんや。そしたら トラ 思い切り嫌な顔しよった。「なんで俺があんたの代わりに相手せなあかんねん」 ゆう目ェで 俺の顔 ジーッと見よった。