喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『四百代言』という詩集

2023-12-13 10:55:57 | 
この前少し紹介した詩集、『四百代言』です。



読み終えました。
著者は、今猿人(こんさるひと)という人。
これはペンネームでしょうね。
読みようによっては「コンサルト」と読めます。
ということで、駄洒落が好きな軽い人物かと想像しました。
ところが作品はそうではありませんでした。
真面目過ぎるほど真面目。
深いです。読む者の心の中に刃物を入れるような鋭さがあります。
とは言っても、軽いのです。言葉運びが。
だから読みやすい。
これはベテランの味です。
生年月日は奥付にありませんので、年齢は分かりませんが、それほどお若くはないでしょうね。
人生の酸いも甘いも噛み分けた人でしょう。

先に一篇「涙」という詩を紹介しましたが、もう三篇紹介しましょう。
「薬」です。
面白いですねえ。暗喩が見事です。「塩」というのも暗喩が良かった。

次は「星」。
強烈なイメージがあります。

そして「紙」。

50篇、全て読み応えがあるのですが、わたしが気になったほかの作品のタイトル名を記しておきます。
「猿」、皮肉。「縄」、したたかさ。「友」、真実。「知」、深く考えさせられる詩。
といった感じですが、総じて皮肉が効いています。
今さん、好奇心の人ですね。そして疑いの人。人が信じて疑わぬことを疑ってかかる人。
すると知らぬ世界が見えてくるといったような。
これも一つの詩の世界ですね。
付け加えて、頭のいい人。想像力、創造力の豊かな人。
作品からはそんな感想を持ちました。
誉めすぎでしょうか?
わたしはお会いしたことはないのですが、さて実際はどんな人なのかな?

『コーヒーカップの耳』これも一種の散文詩。
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