昨日いただいた川柳集『われもこう』島村美津子著を読ませていただいた。
これは凄い句集です。
いくつかご紹介します。
敢えて解説しません。
しだすときりがありません。しかも素人がやるとろくなことありませんので。
全部で130句あるのですが、いいですねえ。飽きさせません。
さくらにはなれずごめんねお兄ちゃん
老人も生きたいのですお月さま
生きてゆく軽いさみしい咳をして
変わりたくない変わりたいともふと思う
父かも知れぬ一つ大きな蝉の声
打たれ強いふりをしている雨蛙
針仕事こんなに平和だったのか
来るものは来る大根を煮ています
うつ伏して泣いた机のニスの香よ
父さんごめんね母さんばかりひいきして
あの人も話し相手がほしかった
どうしよう後ろに誰もおりません
父と兄とてんこち釣った須磨の海
悲しみのどん底ふっと眠くなる
花びらは死者の冷たさみんな死ぬ
動くものみんなさみしくなる日暮れ
夜よりもさみしい朝がはじまりぬ
さよならのかたちぼんやり見えてくる
詩を記す他には何も残さない
あかり消し誰にともなくありがとう
さすがに新子さんの愛弟子さんです。
こんなにシンプルで平易な言葉を使って、読む者の心を動かす。
まるで優れた童謡みたいです。
読む者の心に応じて、働きかけてくるような。
自分なりの解説を披露したくなってしまいますが、辛抱してやめておきます。
『完本コーヒーカップの耳』
これは凄い句集です。
いくつかご紹介します。
敢えて解説しません。
しだすときりがありません。しかも素人がやるとろくなことありませんので。
全部で130句あるのですが、いいですねえ。飽きさせません。
さくらにはなれずごめんねお兄ちゃん
老人も生きたいのですお月さま
生きてゆく軽いさみしい咳をして
変わりたくない変わりたいともふと思う
父かも知れぬ一つ大きな蝉の声
打たれ強いふりをしている雨蛙
針仕事こんなに平和だったのか
来るものは来る大根を煮ています
うつ伏して泣いた机のニスの香よ
父さんごめんね母さんばかりひいきして
あの人も話し相手がほしかった
どうしよう後ろに誰もおりません
父と兄とてんこち釣った須磨の海
悲しみのどん底ふっと眠くなる
花びらは死者の冷たさみんな死ぬ
動くものみんなさみしくなる日暮れ
夜よりもさみしい朝がはじまりぬ
さよならのかたちぼんやり見えてくる
詩を記す他には何も残さない
あかり消し誰にともなくありがとう
さすがに新子さんの愛弟子さんです。
こんなにシンプルで平易な言葉を使って、読む者の心を動かす。
まるで優れた童謡みたいです。
読む者の心に応じて、働きかけてくるような。
自分なりの解説を披露したくなってしまいますが、辛抱してやめておきます。
『完本コーヒーカップの耳』