自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

海でのできごと。

2010年07月03日 14時29分30秒 | おしごと日記
とある町で、海に出ることになりました。
漁師たちの朝は早く、5時には出航し、
魚群をさがしに大西洋へと繰り出します。

この漁師たち、まことにカッコいい。
感情がむき出しで、一見恐そうだけど、
こういう人達こそ、ウソがないので安心して付き合うことができる。
ただのジャマ者でしかないはずの我々に、いろいろ教えようとしてくれるし、
ライバル漁船が現れると、「あいつらにゃあ負けねえ!」と船上が燃え上がり、
私が何か褒めると、照れくさそうに笑いながら、そそくさと仕事に戻って行く。

ああ、大自然と生きる男たちだなあ、と嬉しくなった。
命がけの場所では、ウソや隠し事をしているヒマはないのでしょう。


9月放送の「アメリカ建国の道篇」は計23本放送予定。
その中に、たぶん彼らも登場するでしょう。
釣果のほどは、そちらをお楽しみに。


さて、船に乗った我々。
外海に出ると転覆するかと思う程のものすごい揺れで、
30分後には私と技術マネージャーの堀越はすっかり「役立たず」状態。
私は暴れる胃を鎮めるために「瞑想」に入り、
堀越は5度、大海原の小魚たちにエサをまいた。

驚異的だったのは、安良夫さん。
相変わらず「ハッハッハー!」と笑いながら
パシャパシャ写真を撮っている。
私が霞む目をうっすら開けながら
「…あの人、天才と言うより、変人だ…」
と言うと、
堀越は6度目のエサまきに走り出し、
漁師の一人は私に水を差し出してくれた。
飲み物がほしいと言ったように聞こえたらしい。
私は断るのが申し訳なく、暴れる胃袋に水を流し込んだ。