自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

技術マネージャー。

2010年07月04日 16時08分45秒 | おしごと日記
技術マネージャーの堀越(ホリー)は、
映像系の専門学校を出て4年目の、うら若い女性である。
といっても、10キロ以上あるカメラグッズが入ったバッグと
これまた10キロ以上ある三脚を一日中持ち運んでいても、
一度も「疲れた」などと言った事がないタフ・ガールだ。

おっさんたちに囲まれてさぞかし苦労が絶えないことと想像するが、
ホリーの顔からは何一つ知ることができない仕組みになっている。
恐ろしいほどに、ポーカーフェイスなのである。
自分から話すことはまず無い。
おっさん達が飛ばすジョークに、「ふふ」と言ってにっこり微笑むだけなのである。


しかし、今回のような長期のロケでは、
この「話さない」ということが非情に有効だ。
延々と行動を共にする人に、のべつ幕なく喋られると、
余計な体力を消耗してグループ内の空気が悪くなる。
なので、このおっさんチームからは、非情に可愛がられているようである。


ところが、ただ大人しいだけではなかった。


何も言わないから気付かれていないと思っていたが、
1、日焼けのために私の顔の皮が剥け始めたことを観察済
2、そのために私が日焼け止めを塗るようになったことを匂いで察知済
3、私が食べ物を口に入れる前に必ず香りを嗅ぐことを観察済
4、私が異常なほど蚊に刺されやすいことを観察済
5、私がおしゃべりなアメリカ人と5分以上応対すると頭痛を起こすことを観察済


人を甘く見ては行けない。
これらのことは、私は誰にも話していないのに、完璧に偵察されていたのだ。

黙っている人ほど、観察力や思考力に長けているのかも知れない、
ホリーを見て、そう考えさせられた。