佐渡は平行する二筋の山脈と、その間に広がる国仲平野とからなる。梅津川は大佐渡山脈は、金北山とドンデン山に源流を持つ川である。以前紹介した国府川や羽茂川ほどの流路延長はないものの、佐渡島内にあっては決して小さな川ではない。流れは清らかで、岩や中小の礫からなる河床を群れ泳ぐ鮎の姿は、ジリジリと日の照りつける夏にあっても涼しさを感じさせる。
この川の流域は面白い。梅津川は自身が作った扇状地が隆起した後に、その扇状地面を侵食。今は改めて流域に扇状地を形成するという川である。広く日本全体を考えると別に珍しくもないことかも知れないが、隆起扇状地と開析扇状地の両面を見ることができるからだ。
先に流れは清らかと書いたが、実を言うと残念な面もある。扇頂付近での採石である。そのため洗い水がしばしば川を流れ、水が薄濁るのである。私は濁りのない梅津川が大好きだ。特に夏の川が涸れかかる直前の様がよい。流域の田に水を配り、ただでさえ伏流する分もあるのに、残った水がそれでも清らかさを保ちながら流れ下る。
流れが細くなってくると所々できる溜まりには鮎が群れる。佐渡帰省のおりは子供を連れて鮎捕りをさせた。以前より農薬の心配もないので自由きままにだ。水浸しになってもへっちゃら。父親としてはこれこそ出番とばかりに息巻いたことを思い出す。
今でも梅津川はそういう川で居つづけていると思う。自分が子供の頃にフィールドとした貝喰川や外城川にはかつての姿はない。残念だけれども梅津川があるさ、と帰省の際には何をするでもなく立ち寄ってしまうのだが、訪れたこの日は残念。雨降りの後だったせいか真夏としては水量がやや多い。
写真は最下流の橋から上流を見たもの。<写真撮影:2005.8.13>
この地域は、善福寺川・石神井川・妙正寺川などの地域に密着した河川があり、源流は井の頭公園、そして神田川、隅田川などに続く川です。
普段は地域に親しまれる憩いの場となっている川沿いやそれらを囲む緑地も、いざ荒天となると、人々の暮らしを脅かします。
川を見ているといつも思います。
一番身近にあり、親しまれながら、怒れる姿も併せ持っているんだなぁと。
自然の恵みと脅威は表裏一体ですね。
コメントありがとうございます。
昨晩は大変でしたね。
こちらはそんな状況をニュース
で見聞きするばかりでありまし
た。
降った量も相当であったことは
確かですが、改めて都市型の水
の出方を確認しました。
しかし、今回紹介しているよう
に、穏やかなときの川は実によ
いです。やはり人は土からも、
そして水からも離れられません。
そんなことを感じます。