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ローズの秘密の頁

2018年08月05日 02時03分16秒 | 洋画2016年

 ☆ローズの秘密の頁(2016年 アイルランド 108分)

 原題/The Secret Scripture

 監督/ジム・シェリダン 音楽/ブライアン・バーン

 出演/ヴァネッサ・レッドグレイヴ ルーニー・マーラ テオ・ジェームズ ジャック・レイナー

 

 ☆アイルランド西部、聖マラキ精神病院

 もともと色情狂だという烙印を捺されていた女性が収容されていた精神病院を脱走して赤ちゃんを産み落とすんだけど、産んだその場で殺したにちがいないという容疑が掛けられ、さらに、赤ちゃんが何処にもいないという事実があったりしたら、その容疑はほぼ確定してしまうだろうし、罪にも問われるだろう。

 さらには、その子殺しが、あまりにも凄惨な事件でありながらも、自分の罪を認めるどころか殺してなどいないと言い張ってしまえば、これはもう精神異常をきたしていると判断され、精神病院に収容されてしまっても、アイルランドが中立を選択していたのにイギリス空軍に志願しちゃった野郎の子かもしれないとかってされただけで迫害されそうになるという不幸な時代をおもえば、仕方のないことだったかもしれない。

 ま、これが、ローズなる女性が40年間も強制的に入院させられていた理由なんだけど、映画はその入院の前後をヴァネッサ・レッドグレイヴとルーニー・マーラの視点で描いている。

 40年経つとあんなに華奢で小柄がルーニー・マーラが、巨大なバネッサ・レッドグレーブになっちゃうのかっていう指摘はさておき、ローズの再診を依頼されてやってくるエリック・バナが最初からどうにも臭く、もしかしたらこいつ息子かっていう疑いのまなざしで観るようになり、結局それが真実とかってことになると、なんのどんでん返しもない筋立てになっちゃって、これがいまひとつ面白味に欠ける理由なんだろうなっておもったりする。

 だったら、これはいちばん最初から自分が派遣されることに疑問を抱いたエリック・バナの目線で物語を構築していけばいいわけで、まあ多少そういう面もあるけど、もうすこし主体の置き方を考えた方が好かったんじゃないかっておもうわ。そうしたら、もっと良かったっておもうんだけどなあ。

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