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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

2018年08月06日 15時02分19秒 | 洋画2016年

 ☆しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年 カナダ、アイルランド 116分)

 原題/Maudie

 監督/アシュリング・ウォルシュ 音楽/マイケル・ティミンズ

 出演/サリー・ホーキンス イーサン・ホーク カリ・マチェット ガブリエル・ローズ

 

 ☆カナダ、ノバスコシア州ディグビー

 世間を知らないってのはどうしようもないっておもうんだけど、やっぱり僕はこの画家を知らなかった。でも絵を見ると、なんだかどこかで見たことあるかもしれないなっておもった。たぶん観たことはないんだろうけど、そうおもわせるところが、このモード・ルイスっていうカナダではいちばん名の知られた画家なんだろう。彼女は1903年から1970年まで生きたようだから、ぼくが絵を見る機会はまずなかったろう。でも、いつかどこかで観たほんわかした絵っていう最大の魅力は未だに色褪せることがない。そんな絵を描いたモードの生活はとても貧しかったようで、それは映画がほとんどそのとおり描いてる。

 サリー・ホーキンスは両親がもともと絵本作家で、自身もまたイラストレーターをめざした時期もあるようで、そういうことからいえば、この作品は他人事じゃなかったろう。というより、彼女のほかに演じられる女優はいなかったんじゃないかとさえおもえる。それくらいのはまり役で、若年性リューマチに堪えながらも絵を描きつづける小柄なモードを瓜二つっていうくらい、よく演じてた。こういうところ、欧米の役者は凄いね。役に成り切るっていうのは、基礎から演技を学んでこないと難しいのかしらね。日本の映画界ではまずもって無理だな。

 イーサン・ホークもまた今回はたいしたもので、演技はうまいんだけどいまひとつ外連味に欠けるところのある彼なんだけど、今回は理屈っぽさをかなぐり捨てて、貧乏な漁師をベタながらも丁寧に演じてた。好感は持てた。というより、役作りのために太ったのかしら。でも、一番最後に出てくる本人はかなり痩せた背の高い魚売りだったけどね。

 ただ、なんというのか、地味な映画だし、絵が売れたとおもったらその成長していく過程はかなり省かれてて、あれれっていう内にもう有名になってた。もうちょっとメリハリがあってもいいんじゃないかっておもうんだけど、こういう淡々とした映画が、カナダやアイルランドの作品ぽいっていえばたしかにそうかもしれないんだけどさ。ニクソンが副大統領だった頃に絵を買った挿話があってもよかったんじゃないかって気もするんだけどな。

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