△積木くずし(1983)
いやまあ当時は不愉快で見る気もなかった映画なんだけど。非行と家庭内暴力はこの頃がピークだったのかもなあ…。
つか、なんだか、テレビサイズだなあ。
渡辺典子が不良に走る理由が後半にならないと見えてこないのと、前半はケンカしたりシンナー吸ったりするからってそれほど問題をかかえた非行少女には見えないのが、物語がわかっているだけに外された感じがする。ことに非行に走りつつも、母親のいしだあゆみには恋の悩みを泣いて相談するくらい良い子に見えるのがまだるこしい。途中、錦糸町の駅前を深夜にふらついて警察に捕まるとかゆーのも中途半端な気もするし。まあ、藤田まことが京都ロケに行ってるときにいしだあゆみからちからづくで金をせびろうとするところから徐々に凄くなってくるんだけどね。
それにしても『絞殺』もそうなんだけど、子どもはたいがい部屋の中でどでかい音で、くそうるさい和風ロックを響かせる。なんで?
しかし、あれか、これ、子どもの不良化は親に原因があって、とくにこの場合、藤田まことの浮気と夫婦のいびつな喧嘩がそうなんだけど、こうしちゃうと非行と家庭内暴力の映画ながら普遍性がなくなるんじゃないかなあ。いやそんなことより、やけに藤田まことが好い人で、なんでこんなに物分かりがいいのに浮気してるんだろう?
で、林隆三演じる相談員に頼るしか術がないって感じなのは、ほんとうにそうしたからなんだろうか?
話は変わるけど、穂積隆信が俳優座の第3期ってのは知らなかったわ。