ホテルの朝食は、屋上だとさ。高原の冷気が少し肌寒いが、ゆくべえか。
S君が町の眺めがいいよというので、そりゃバギオ大聖堂が真横に見えているし、反対側には山岳都市特有のなだらかな都市景観が広がっていることぐらい私だって気配でわかるさ。まあつまらん景色だから機材は置いてきたさ。バルコニーに近寄って目を左の方に移すとホテルの壁の先に住宅が密集した山が見えるではないか。これだっ!私が撮りたかった都市景観は。そこで部屋に戻り撮影機材を持ってとって返した。そしてレンズの焦点距離300mm迄目一杯に伸ばして撮影した。焦点距離が300mm迄あってよかったぜ。頻繁に使う画角ではないが、ここ一番というときに絶対に必要な画角である。そういうときはまさにやったという気分だ。
本当はホテルの壁に窓でもあれば良いのだが、この位置はエレベーターのコアだから窓などあろうはずがない。この都市景観を撮りたかったのだ。山半分ぐらいしかはいらないが、それでもバギオの特徴的な都市景観だ。その山腹には、おそらく道路がジグザグに付いているはずだ。それにしても結構な急傾斜地、そこへ住宅が密集するというこんな都市は、イタリアのアマルフイーをはじめいくつかあるが、めったに遭遇できるわけではない。トップの画像を拡大したのが2枚目であり、かなりの急傾斜地だということがわかる。
そんなバギオは、撮影ポイントがいくつかあるはずだが、しかしこの町に住まないとわからない。大方の家からは街が見下ろせるよと昨日の会食会での川口氏の言葉を思い出していた。我々は24時間も滞在しないのだから、撮影ポイントを探す時間はない。ホテルの屋上で朝食を撮るという機会が無ければ、撮りそびれていた都市景観である。
ようやくバギオに来た意味があった。そんなわけで心残りをすることなく、私達は次の目的地ビガンへむかった。またエアコンの効き過ぎたバスである。
ベンゲット州バギオ 2019年3月27日
EOS1DsMark3,EF28-300mm/F3.5-5.6L IS USM
ISO800,焦点距離300mm,露出補正0,f/13,1/1250
ISO800,焦点距離300mm,露出補正0,f/13,1/1250(1の画像の部分拡大)
ISO800,焦点距離130mm,露出補正0,f/11,1/500
ISO1600,焦点距離200mm,露出補正-0.33,f/13.1,1/800
ISO800,焦点距離70mm,露出補正-0.67,f/16.1,1/640