凍てもどる2月はまだ冬のそこ。アチキは公立大学の入試の仕事で名古屋だ。
入試業務は教員・職員が全員参加して毎年仕事が均等にゆくように人員配置されるわけだ。最近は入試回数が多いから、監督にあたらなかったという人は入試問題の出題者だ。もちろん出題者も試験会場に詰めている。
そんなわけでアチキも出題者の一人として入試に参加していたわけである。ありがたいのは自分の出題科目が終われば解放されることだ。最後のチャイムが鳴り一足先に失礼しますといっている頃、翠からメールが来た「帰るの!?。交通機関は雪で全部止まっているよん!!!」
つまり今夜は小樽に戻れない。しかしこんな大寒波が来ているときでも機能する空港が一つだけある、青森空港だ。ならばリュウ君の家に行こう。メールを入れたら大歓迎で、空港まで家族総出で迎えにゆくと連絡が来た。奥さんのフィリピン人の風習で、ゲストが来るときは家族総出で迎えにくる。それが雪の中であっても4駆のパジェロ!?ではなく今はアウトランダーでやってくる。
・・・
世界有数の豪雪都市だけあっても、青森市は機能している。リュウ君の家は、下にガレージやオフィスがあり2階に居室を設えた。それでも降り積もった雪は2階の窓の下までありグランドレベルにいる感覚だ。もちろん窓は二重サッシで暖房があついぐらい効いている。
kikiが今夜はパーティーだ!、といって喜んでいる。バンガスとトマトのホットドックが出てきて、カラオケが鳴っている。なんじゃこりゃ!、の空気だ。
kiki「日本は人口が減っている。人が少ないから寂しいの!。だからゲストは大歓迎」
「うん、子供が喜んでいるしなぁー」
kiki「今夜はカラオケ、イ・ザ・カ・ヤ・・ゆこう!!」
「一番人気は誰!?」
kiki「アチキが歌えるのはこれ!、tokunaga hideaki」
「はあ!!、誰だったかなぁー・・・」
思いもかけない深夜のパーティーだった。
リュウ君「明日の朝、あそごゆく?」
kiki「おいこら!、朝から女でも買いにゆくのか!?。日本人の悪い習慣!」
「ハハハ!、古川市場だよ・・・」
kiki「帰りにさ市場でホタテと蟹を買ってゆきなよ!?・・きてよか!!」
kiki「おおっ!、外でモーニング!!。雪と一緒におでんを食べる奴ね、あれ旨いかなぁー!??・・・」
「まあ、風情があっていいじゃん」
リュウ君「だって彼にとっては、通勤の帰りが旅なんだもん。毎週名古屋と小樽を往復しているんだよ」
kiki「オオッ、毎週旅人!!!。変人!!!」
リュウ君「kikiだってマニラへ行くときには、ホテル泊まりだって言うじゃん。それと一緒だよ」
kiki「それはマニラが危険だから!。夜は歩けない。日本はラクチン」
「距離の感覚がちがうんだろうな」
KIKI「マニラへゆくのと小樽へ行くのとどっちが近い?」
リュウ君「そりゃ小樽さ。津軽海峡を新幹線で越えてゆくからね」
kiki「よし、ツガルカイキョウフユゲシキを歌え!!」
なんだカラオケの選曲をしていたか・・・。
夜半までミッドナイトパーティーの青森の夜だった。