Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング703. 小説:小樽の翠627.  サップグリーンの爽やかさ

2023年03月08日 | field work

 サップグリーンの絵具がなくなったな。黒い色を作るために使うから消耗するんだな。オリーブグリーンで代用は無理か。ならば画材屋だな。
 画材屋に行くと明菜姉ちゃんが留守番バイトをしている。
「今日は、主は?」
明菜「商店会の会合だって。年度末だから忙しそうだよ。またカーマインレッドかなぁー」
「今日は、サップグリーンだよ」
明菜「こんな小さな店でシュミンケの絵具を買うのは、オジさんぐらいだなぁー」
「ふーーん、もう試験休みなんだ。休みは何しているの?」
明菜「もち彼の家で。すっごく寒い日にタップリ暖房を入れて部屋の中で裸で暮らすってすっごく心地よいじゃん。窓なんか真っ白に霞んでいるもん」
「ああっ!、一日中おうち時間ですかぁー
明菜「裸のつきあいだもん!!」
「なんだ快楽三昧かぁー」
明菜「否定はしないけど、ご想像にお任せ・・・(*^▽^*)」
たしかに、それは冬の家ごもりには心地よさそうだな・・・。
明菜「オジさん、Hな妄想していない?」
「うん、翠と寝・・・・(*^▽^*)」
明菜「ごまかしているぅーー」
「あっ、君たち、初恋、初体験?」
明菜「そうよ。ヤリマンは美希姉ちゃんだけで十分だよ。だってとっかえひっかえなんて面倒じゃん」
「初恋の人でなければ、抱かせないというわけだ」
明菜「あったり前!。抱いたら一生大切にしてねだよん・・・」
「大学に行く頃には結婚しているかもな!?」
明菜「だよね、だってあと二ヶ月で18才じゃん。だから結婚出来るし、それで子供ができていたら最高ですぅーー」
・・・
そんな話を反芻しながら入船通りを歩いていた。
明菜姉ちゃんの考え方が正解だよね
人間は生涯いろんな人間と出会い、そして付き合う。
そんな経験を積めば積むほどお互いの了解の意識が生まれる。
そこから本当の恋愛が発生する!?・・・という社会的定説がある。
しかし、それは違うな!。
核家族で育ってきたから、わかり合えるなんていう意識の世界は、つきあい方をしらない人間のなれの果ての姿だ。
男と女は、意識ではなく感性だろう。
意識的な姿には、感性がまったく働いていないじゃないか。
でも好きな男は一人いれば幸感覚だよね。
それも若い感性が沢山あるうちに見つけだせたら最高だよね。
それは、かぼすのような色をしたサップグリーンの爽やかさといったらよいか。
・・・
小樽も天狗山の眩しい白い雪の背後に抜けるような青空が広がっている。その風景にサップグリーンの絵具を差し出してみた。
春の予感だね。
コメント
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