Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編301. 人口15,000人の都市のデザイン

2017年10月21日 | Design&3DCG

 このブログ画面の、MIKAMI'S Blogをクリックすると2週間分のブログが見られます。毎日こまめにFBからリンクして当日分だけ読んでいただいている読者もいるので、一応書いておきます。

 今日の画像は、現在関わっている都市計画プロジェクトのために私が制作している3DCGのホンの一部分のレンダリング。この計画の準備と最初のスケマティックデザインを進めている。そんなわけで今週は、夜なべ仕事が連日続いている。

 そうなると寝るのが明け方、起きるのが昼前、FBのリンクはそれからという日が続いている。どうしても夜中の方が集中できるので、すぐに昼夜逆転してしまった。そんな日が続いたためか、今朝は頭がもうろうとしている。頭をならすためにブログを書いているけど、どんよりとした雨模様の天気もあり眼がさめない。

 夜なべ仕事は15,000人の都市のデザイン。新しくつくるのだからこれからの時代のモデルとなるような都市づくりを目指している。

 そこで先ず空間ボリュームから算出する。日本の平均家族数が3人とすれば、5000戸の住宅が必要だ。今の集合住宅の基準よりはるかに広い平均150㎡/1住戸を想定し、約延床面積1万㎡を超える建築が1つできあがる。この60世帯が入居する建築を20棟つくって1unitを構成すると1200世帯。これだけでも相当に大規模だ。これまでに、そんな大規模民間開発はみたことがないが、まあ1unit分のラフデザインと3DCGは完成した。

 ここまでくると1unitの3DCGのポリゴン数が1千万個以上。Mac proはサクサクと動くが、ソフトの動作がすこぶる遅く、時折ダウンしてしまう。このソフト自体の限界なのだろう。ちなみに制作したファイル容量が43.7MB、これをつくるための諸ファイルを含めると2.18GB。まあ私としては軽い方かな。

 さらにこの1initが、あと4.2unit必要になる。それに商業・サービス機能も加わり、まあ5unit計画しなければならない。それで15,000人の生活がまかなえる。それにこの都市の主目的である先端研究開発機能が加わり、ようやく街になる。

 つまり3DCGの空間では、1つの住まいをつくる緻密さで制作した場合、それが集まって建築となり(ここまでは楽勝)、建築が複数集まって1unitとなり(動作すこぶる鈍い)、それが5unitあり(不可能に近い)、そして研究機能が加わった1つの都市をつくる(未知の世界)ことは、ソフトの能力をはるかに超えているわけだ。

 だから3DCGの建築空間的な緻密さで都市のレベルまでスケールアップできるソフトが欲しいところだ。ちなみにGoogle Mapは、すべて2次元画像にしており、これに若干の超簡略CGで桁違いにデータを軽くしているのでスケールアップが可能なのである。そりゃ簡略すぎて都市や建築の世界では使い物にならないよ。ありゃ世界地図程度の情報しかはいらないですから。

 まあ都市の空間をデザインするということは、そういうことなのである。普通にやっていてはパソコンでは難しいときもある。

 ちなみに私が行ったデータ量の試算では、氏名、生年月日、住所を30万人分(1つの地方都市、例えば青森市)のテキストデータを作成したらファイル容量が467KBだった。ちなみにwordのページ数9,433頁、単語数12,378,300とカウントされたけど、今週私が作成した1unit3DCGのポリゴン数と近似値だ。事務系データは3DCGデータや画像よりはるかにデータ容量は小さいし、メールでも添付できる程度だ。それに倍ぐらいの付加情報をいれても1MBにはならないでしよう。

 国民全体ならば600MB程度かな。衆議院選挙なんか600MBの世界だよ。だから1GBもあれば全国民の付加情報付きデータができてしまう。古い電気屋の片隅の棚に埃をかぶって売れ残った1GBのUSBメモリー1個で全国民のデータが入るわけだ。もちろん手作業でやったら大変だけどパソコンなら簡単。その程度のデータ量でなんだかんだと騒がないで欲しいですね。たかだか1GBにも満たない軽いデータ量しか扱わないで、偉そうに威張っている事務屋を脳天気な文化系といって私は少し軽蔑視しているけど・・・。

 さてそんな大規模都市空間をどこにつくるかといえば東北。小さな町でも人口15,000人ぐらいは住んでいたわけ。それが東北大震災で数多くの街が津波で流されてしまったわけ。だから街として空間を復興するプロジェクトをしているわけだけど、東北大震災というのが文化系事務屋の頭の思考をはるかに超える大災害だったということがわかるでしょう。

 

ハードウェア:Mac pro、ソフトウェア:Vue Infinite2016 R3

 

コメント
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