まず予告編にやられた。クールビューティーのケイト・ブランシェットとバックに流れるジョー・スタッフォードの「No Other Love」がシンクロされて脳裏に焼き付く。アカデミー賞にノミネートされたトッド・ヘインズ監督の「キャロル」だ。残念ながら賞は逃したものの傑作といっていい。この作品でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したルーニー・マーラがたどたどしいながらも美しいメロディーラインをピアノで弾くシーンがある。
「Easy Living」だ。そして♪Living for you is easy living It's easy to live when you're in love・・・が流れる。1937年にブロンズウィックに吹き込んだビリー・ホリデイの決定的名唱だ。テディ・ウィルソン楽団がバックで、勿論レスター・ヤングも参加している。しかもLP時代になってコロムビアから発売された10吋盤も出てくる。更に驚いたのはジャケットがピッカピカで、ディスクもノイズがない。時代設定は1950年代前半なので、1949年にリリースされたこのレコードが傷んでいては台無しということか。こんなに状態の良いものを所有しているコレクターに敬服する。
「気ままな暮らし」というそれこそイージーな邦題が付いているが、歌の内容からいうと歌詞の頭の「あなたのために生きるなら」というタイトルのほうがしっくりくるし、映画の内容もこれに近い。多くの録音からレス・ブラウン楽団の専属シンガーとして売り出したルーシー・アン・ポークを取り出してみた。同楽団の先輩のドリス・デイに似て明るいルーシーだが、レスター派のボブ・ハーダウェイの参加と余分な音を出さないマーティ・ペイチのピアノというバックに引っ張られる形でレイジーに歌っている。ビリーがけだるい感じを出したことからその唱法がお手本になったようだ。
ケイトに「もう一度かけて」と言われてルーニーが針を下ろすシーンがある。10吋盤にこの曲が収録されているのはB面3曲目で、僅か1ミリの溝に音を跨がず落とすあたりはなかなかのものだ。レコード世代でもけっこう難しいので何度もNGを出したのかもしれない。そしてB面4曲目、つまり最後のトラックに収録されているのは「When You're Smiling」だ。最高のエンディングを暗示している。
「Easy Living」だ。そして♪Living for you is easy living It's easy to live when you're in love・・・が流れる。1937年にブロンズウィックに吹き込んだビリー・ホリデイの決定的名唱だ。テディ・ウィルソン楽団がバックで、勿論レスター・ヤングも参加している。しかもLP時代になってコロムビアから発売された10吋盤も出てくる。更に驚いたのはジャケットがピッカピカで、ディスクもノイズがない。時代設定は1950年代前半なので、1949年にリリースされたこのレコードが傷んでいては台無しということか。こんなに状態の良いものを所有しているコレクターに敬服する。
「気ままな暮らし」というそれこそイージーな邦題が付いているが、歌の内容からいうと歌詞の頭の「あなたのために生きるなら」というタイトルのほうがしっくりくるし、映画の内容もこれに近い。多くの録音からレス・ブラウン楽団の専属シンガーとして売り出したルーシー・アン・ポークを取り出してみた。同楽団の先輩のドリス・デイに似て明るいルーシーだが、レスター派のボブ・ハーダウェイの参加と余分な音を出さないマーティ・ペイチのピアノというバックに引っ張られる形でレイジーに歌っている。ビリーがけだるい感じを出したことからその唱法がお手本になったようだ。
ケイトに「もう一度かけて」と言われてルーニーが針を下ろすシーンがある。10吋盤にこの曲が収録されているのはB面3曲目で、僅か1ミリの溝に音を跨がず落とすあたりはなかなかのものだ。レコード世代でもけっこう難しいので何度もNGを出したのかもしれない。そしてB面4曲目、つまり最後のトラックに収録されているのは「When You're Smiling」だ。最高のエンディングを暗示している。
10吋盤は何度かクリックすると見られる思います。くるくる待機が続くようでしたら「Easy living Billie Holiday」で検索してください。ジャケットは出てきませんが、ビリーの音源は聴けます。
Easy Living Vocal Best 3
Ann Hampton Callaway / Easy Living (Sin-Drome Records)
June Christy / June's Got Rhythm (Capitol)
Lucy Ann Polk / Lucky Lucy Ann (Mode)
多くの名唱がありますので割れましたがペギー・リーをはじめダイナ・ワシントン、ジューン・クリスティといった大御所、最近のものではアン・ハンプトン・キャラウェイとシェリル・ベンティンが人気でした。今宵はお気に入りのイージー・リヴィングをお楽しみください。
そちらはいつになく寒いようですね。こちらは雪がちらついておりますが、そんな中来週は札幌ドーム開幕です。
どの曲もビリーがベストとは限りませんが、この曲と「All of Me」は、絶対に超えられない壁かも知れません。決定的名唱があるからこそ取り上げるシンガーが多いのでしょう。
ルーシー・アンも先のクリスティと同じく内容よし、ジャケットよしです。キャピトルのジム・ジョンソンに、モードのエヴァ・ダイアナ、当時はジャズを書けるイラストレーターがおりました。
聴きなれたメロディーをピアノで弾くシーンはドキッとしました。スクリーンから思いがけない曲が流れると新鮮です。「気楽な暮らし」は誤訳ですが、「帰ってくれれば嬉しいわ」同様、定着しましたね。日本人的感覚でこれはこれで名訳です。
トップにクリスティがきましたか。ボブ・クーパーと夫唱婦随の作品だけあり完成度は高いですね。バックに豪華メンバーを配するあたり、かなりの力の入れようです。それにキャピトルのイラストを手掛けたジム・ジョンソンのクリスティはジャケットからも躍動感が伝わってきます。
そしてベンティーン、出だしのスキャットがやけに色っぽいですね。タイトル曲がベストですが、これもいけます。
キャラウェイは私も挙げましたが、最近のものでは出色の歌唱です。アルバムタイトルにするだけのことはあります。
開いては見たものの・・・・お外は一寸冷える! 桜の花びらが云っております。 東京は桜が開花しましたが、電気ヒーターを横に置いて「Easy Living」を聴いてます、三寒四温の時期ですね。
「B・ホリデイ」「S・ボーン」「C・マクレイ」「M・A・マッコール」「ロジー」そして「L・A・ポーク」を聴きましたが・・・B・ホリデイを聴いちゃうと他は一寸選び辛い。「When You're Smiling」がお題でもやっぱり同じでしょうね。
贔屓のルーシー・アンに一票!
①lucky lucy ann (V.S.O.P. Record )
「Easy Living」は、覚えやすい歌で、たまにメロディを口ずさみます。歌詞の内容とは異なりますが、和製英語で、「気楽な暮らし」といった邦題も覚えやすいものでした。たくさんのヴァージョンがあって、どれを挙げようか悩みましたが、好みと新しめのところを入れて、次の3つで。
June Christy / June's Got Rhythm (Capitol)
Cheryl Bentyne / Sings Waltz For Debby (Paddle Wheel)
Ann Hampton Callaway / Easy Living (Sin-Drome Records)
決定盤のビリー・ホリデイは、リアル過ぎて切なくなるので、外しました。クリスティの乾いたクールな抒情と楽器のコラボがよいです。近年のものでは、ベンティーンやキャラウェイといった実力派の歌手のものが素晴らしいと思います。他にもたくさんあり、とても聴くのは無理で、時間切れで、上記3つにしましたので、とりあえずです。
映画『キャロル』をご覧になったようですね。当時はタブーとされていた内容ですので、女性は違和感があるかもしれません。50年代そのままのファッションと音楽ですので、違う意味でも楽しめました。
ダイナ・ワシントンは「For Those in Love」に収録されている音源ですね。豪華メンバーで気持ちよさそうに歌っております。イントロのウィントン・ケリーは歌伴らしく控え目ですね。クラーク・テリーとジミー・クリーヴランドのダイナミックなソロがダイナを盛り立てております。
映画『レッキング・クルー 伝説のミュージシャンたち』は私も観たいですね。多分キノかな。奇しくも「Easy Living」のインスト・ベストを話題にした「ハワード・ロバーツはベンチャーズの影武者だったのか!?」で、影のスタジオミュージシャンを話題にしております。
映画『キャロル』を観ました。
流れる音楽がどれも印象的でしたが、映画の作品自体は内容が内容なだけに何とも…
男性が観た場合と女性が観た場合とでは、だいぶ印象が違うかもしれません。
お題の曲については、ひとつだけ挙げますとダイナ・ワシントンのソウルフルな歌唱が好きです。
ベスト盤しか持っていませんが、音源はクインシー・ジョーンズ編曲指揮のバンド演奏で歌っているもののようです。
今とっても気になっている映画が『レッキング・クルー 伝説のミュージシャンたち』です。
全国順次公開とホームページに記載されているので、札幌でも公開されたら必ず観に行きたいと思っています。
映画で出てくるのはこのレコードです。
Easy living Billie Holiday Teddy Wilson. Carol Movie soundtrack
https://www.youtube.com/watch?v=1PE2t-YT8D8
「イージー・リヴィング」は、1937年の同名映画、邦題「街は春風」の主題歌として発表されましたが、スタンダードとして決定づけたのはビリーの名唱です。「ブルー・ハワイ」や「サンクス・フォー・ザ・メモリー」でお馴染のラルフ・レインジャーとレオ・ロビンのコンビが書いた曲です。今週はこの曲のお気に入りをヴォーカルでお寄せください。ビリーは殿堂入りですので外してください。尚、インスト・ベストは、2009年5月17日の拙稿「ハワード・ロバーツはベンチャーズの影武者だったのか!?」をご覧ください。
管理人 Easy Living Vocal Best 3
Peggy Lee / Black Coffee (Decca)
Ann Hampton Callaway / Easy Living (Sin-Drome Records)
Chet Baker / Baker's Holiday (Limelight)
他にもエラ、サラ、アニタ、カーメンの大御所をはじめジューン・クリスティ、ローズマリー・クルーニー、ダイナ・ワシントン、ナンシー・ウィルソン、ロレツ・アレクサンドリア、モニカ・ゼタールンド等々多くの名唱があります。今週も皆様のコメントをお待ちしております。
映画『キャロル』予告編 90秒ver
https://www.youtube.com/watch?v=xwKh9gxtD84
Sarah Vaughan "Easy Living"
https://www.youtube.com/watch?v=uqGBtS2tSkM
派手なドレスがよく似合っております