2024/4/2
・原爆の父と言われたオッペンハイマーの評伝劇。
・180分ある。家でサブスク視聴するには厳しい長さ。こういう作品こそ映画館がはかどる。
・せっかくの話題作なのでIMAXにしたけど、会話が9割だったので、そこまでこだわらなくてよかったかも。
・ただ、ロスアラモスの原爆実験はすさまじい。クリストファー・ノーランがCGを使わないということくらいは知っていたので、ますます凄みを感じる(実際にはちょっと使っていたらしい)。
・爆発時の数字を聞いて、単に大きな爆弾が炸裂したと思って喜んでいるライト層と、とんでもない異常な規模だとわかる専門家たちの表情の違いも見どころ。
・彼のキャリアの振り返りと、戦後の公聴会のシーンが切り替わりながら話が進む。
・最初、公聴会で調査しているのは人道的な意味での是非なのかな、ちゃんと検証しているアメリカはえらいなって思っていたけど、全然違っていた。
・セックス描写の必要性がわからない。特に公聴会中のシーンは、作り手側の悪ふざけに見えてしまった。そういうタイプの話ではないのに。
・冒頭にプロメテウスの説明。人類に火を与えた罪で永久に苦しみ続けるという神。そのまんま、この映画のオッペンハイマーを説明している。
・原爆を落とさないと日本は降伏しなかったのではないかという指摘。絶対ないとは言えないのがつらい。
・アインシュタインがイメージ通りの見た目と言動。
・科学者からの指摘を、決して正面から受けず、流して崩して倒す合気道の達人のような悪い政治家。
・なるほど、こうやって悪い政治家は正論と戦うのかと、暗い気持ちになる。
・一応、説明はあるので、オッペンハイマーと友好的な人、敵対者、この人たちは何をやろうとして何が問題になのか、最低限のことはわかるようになっている。
・それでも登場人物が多く、前提知識も足りず、何が進行しているシーンなのかよくわからない時間帯があった。
・映画や演劇を見るときは前情報なしが好きなんだけど、評伝劇に関しては展開に面白味があるわけではないので、下調べしてから見たほうがよかったかも。
・良くも悪くも戦争関連のグロい表現はないので、長時間のわりに見やすいタイプの戦争映画だった。