ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

フォーラムシアター

2008-03-15 22:11:16 | 日記・エッセイ・コラム

ドラマセラピーフェスティバル2008のオープニング。参加者がぐちゃぐちゃと好きな位置に立ちました。「目をつぶって移動しながら、全体で大きな輪になって手をつないでください。合図するまで絶対目を開けないでくださいよ」。

私はそろそろと後ずさりをしながら、誰かの手を捜しました。そして繫がれた手の間に受け入れてもらいました。「目を開けてください」の合図に目を開くと、手を繋いだ大きなひとつの輪が。短いのに、とてもステキなオープニングでした。

午前中はドラマセラピーとフォーラムシアターのワークショップが用意されていて、私はまっちゃんhttp://karadaws.exblog.jp/のフォーラムシアターに参加しました。丁寧なウォームアップのあと、用意されていたのは、「駅のホームで隣に変な人が座ってきて、じっと見つめられる」というシーンにどう対応するか。言葉なしで反応してみるものでした。じっと見つめる役をまっちゃんがやります。いろいろなひとが入れ替わり立ち代り、それぞれのアイデアを試していました。そのたびにまっちゃんは自分の心の内がどうだったのかを語ってくれました。多彩なアイデアが出て、とても面白く観ることができました。

ロールプレイにティーチャーインロールを組み合わせたような方法だなあ。これまでフォーラムシアターといわれて経験してきたものや、DIE(ドラマ・イン・エデュケーション)のジョナサン・ニーランズがStructuring Drama Workで書いているのとは少し違う。何か寸劇が演じられて、その途中で観客がいつでも介入できるというものだったから。でも、入れ替わり立ち代り、アイデアを試すという点では同じ。

この方法は、以前、尾上さんhttp://www13.plala.or.jp/dt/のワークショップにでたときに、使っていました。尾上さんがひきこもりの子どもを演じて、参加者がおかあさんとして対応してみました。子どもの「分かってもらえないつらさ」が伝わってくる演技に、圧倒されました。セリフはほとんど無かったのですが。

もともとはボワールの「被抑圧者の演劇」の手法ですが、まっちゃんは「何か社会問題を解決するというより、フォーラムシアターという手法に関心がある」と言っていました。多方面で使えそうです。SSTにもふさわしいのではないだろうか。SST自体良く知らないのだけれど。

私も手法に関心があって、その時は面白いと思って見てましたが、こうして書いているうちに、なぜ「じっと見られる」だったのか、疑問がわいてきました。あまりありそうにないし。なぜ「言葉を使わない」だったのか。面白いアイデアや表現が出てくることが目的だったのかな?まっちゃんに聞いてみよう。

コメント (2)
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