ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

授業づくりの考え方

2018-12-14 09:29:19 | 授業・教育
渡辺貴裕先生の『授業づくりの考え方』
やっと1月に発売されます。

教職実践演習の授業では、毎年模擬授業をしてもらいます。
もう教員になることが決まった学生と、就職が決まって教員にはならない学生と、模擬授業への熱が全く異なる中で、有意義な模擬授業はどうしたら…というのが悩み。

特に、模擬授業のふりかえりをみんなにとって意味があり、それぞれが得るものがある話し合いにするにはどうしたらよいのか…。
グループに分けて授業をするため、私がずっとついてるわけではありません。
4回生でもあるし、学生たちだけでできるようにしたい。

でも、学生たちだけのふりかえりは、「私はこう思いました。以上」「私は○○でした。以上」というように一巡したらそれ以上深まらない。
「以上」は、これ以上私の言うことに触れないでちょうだいというように聞こえるし、「『以上』は言わない、共通の話題を見つけて深める」などとアドバイスするのですが、そのときは気をつけても、なかなかうまくいかず。もちろん、グループによっては、とても深まるのですが。

数年前、獲得型教育研究会でちょっと悩みをもらしたときに高尾隆先生が「私は良い、悪いではなく好きだったところ、あまり好きじゃなかったところを語ってもらっている」と話されました。
「良い、悪い」となると評価になってしまうけれど、「好きかどうか」は個人の自由で、いろいろあって当たり前だから、と。

なるほどと思い、それ以来そういうことを学生に伝えてきました。貴裕先生のこの本は、「実感をともなった」話をするということが書かれています。
高尾先生と同じことだなと思うと同時に、具体的に例をあげて語られているので、だれでもとっつきやすい。

これまでも貴裕先生は対話型リフレクションについて書いておられます。今年は高尾先生の言葉にくわえて、貴裕先生の論文「学習者の視点をもつて実践の振り返りを深めるということ」「教師自身の学び手としての感覚の活性化」を学生たちに読んでもらい、それをもとに授業のふりかえりをしてもらっています。

今までの感覚があるから、最初はなかなかうまくいかないグループがありますが、3回、4回とくりかえす中で、ざっくばらんに思ったことを伝えあい、共通に引っかかったところで深めていけるようになり、学生自身がふりかえりの話し合いにとても満足感を感じるようになっています。

ただ、当然と言えば当然ですが、肝心の模擬授業が手抜きで、ろくに考えずに授業をしてしまうと、授業者はとても後悔することになってしまいます。

教員になろうとしている人、教員研修や教員養成にかかわる人には、ぜひ読んでほしい本です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 京都環境フェスティバル | トップ | どうも調子が変 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

授業・教育」カテゴリの最新記事