和光高校でドラマ教育をやっておられる高山昇先生のワークショップを受けました(1月12日、東京芸術劇場)。
ドラマ教育という科目を設けたときに、そこで生徒は何を学ぶのでしょうか。
高山先生によると、それは単にコミュニケーションスキルや表現力ではない。いろいろな人生、いろいろな立場、自分と他人とのいろいろな関係を体験し、生きる練習をするのだ、と。
ワークショップは大人向けにアレンジされていました。メインは「Sachikoの再就職」。社内結婚、退社したSachikoは、息子と娘がそれぞれ小学5年と3年になったので、再就職したいと思う。まず誰に相談するか。相談された人は、次に誰にどのように言うか。これを3~4人のグループで話し合い、劇にしました。
私にとっては、かつて経験してきた状況と重なるところもあり、友人の色々なケースを見てきているので、ともてリアルなテーマ。自分にとってリアリティーが感じられることに持って行きたいので、話し合いに熱が入ります。
四つのグループの熱演の後、「自分ならどうするか」ということで、再就職するグループとしないグループに分かれました。私は、再就職するグループ。それぞれのグループで、Sachikoの選択ののちの生活一場面をスチールイメージに。
私は幸せすぎるイメージにはリアリティーが感じられず、先生の助言で、再就職選択グループが「ハッピー!」グループと「やや不安」グループに分かれることに。ここでスチールイメージを自分たちで演じず、意見が異なる相手グループを素材に作ったのが面白い。「そうそう、こんな感じ」と、自分で見ることができたのでした。
人生は、選択の連続。いろいろな機会に、人生の選択の練習ができれば、きっと未来に生かすことができるでしょう。
これだけでも十分意味のある内容でしたが、ウォームアップのグレイドアップの方法や、途中での丁寧な説明と質疑によって、ファシリテーターとしての視線や技術が学べる、とてもステキなワークショップでした。
参加者が全員プレイバック・シアターのリーダープロジェクトのメンバーということもあって、言いたいことを言い、やりたいように目イッパイ演じ、また他のグループの熱演も鑑賞もして、「ああ、面白い!」。こんなことができるなんて、人間に生まれてきて良かった。