ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

第二回ドラマ教育研究会

2008-01-19 13:20:59 | お知らせ

時:2月21日(木)19:00-21:00

所:沖縄キリスト教学院大学リズム室(大学に入って右手奥、体育館下)

テーマ:授業に役立つ劇づくり・・・子どもと一緒に劇をするコツ・・・

講師:金城幸次氏

子どもたちと劇づくりの経験を重ねてこられた、金城幸次先生。このたび校長になられ、その多忙を縫ってご登場いただきます。

ドラマ教育研究会は、偶数月の第一木曜日を予定していますが、今回は金城先生のご都合で第三木曜日です。お間違えなく。

参加ご希望の方は、下記にご連絡ください。
drama-ee☆cap.ocn.ne.jp (☆を@に変えてね)

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ドラマ教育は生きる練習―ドラマ教育ワークショップ体験

2008-01-16 23:22:00 | 日記・エッセイ・コラム

和光高校でドラマ教育をやっておられる高山昇先生のワークショップを受けました(1月12日、東京芸術劇場)。

ドラマ教育という科目を設けたときに、そこで生徒は何を学ぶのでしょうか。

高山先生によると、それは単にコミュニケーションスキルや表現力ではない。いろいろな人生、いろいろな立場、自分と他人とのいろいろな関係を体験し、生きる練習をするのだ、と。

ワークショップは大人向けにアレンジされていました。メインは「Sachikoの再就職」。社内結婚、退社したSachikoは、息子と娘がそれぞれ小学5年と3年になったので、再就職したいと思う。まず誰に相談するか。相談された人は、次に誰にどのように言うか。これを3~4人のグループで話し合い、劇にしました。

私にとっては、かつて経験してきた状況と重なるところもあり、友人の色々なケースを見てきているので、ともてリアルなテーマ。自分にとってリアリティーが感じられることに持って行きたいので、話し合いに熱が入ります。

四つのグループの熱演の後、「自分ならどうするか」ということで、再就職するグループとしないグループに分かれました。私は、再就職するグループ。それぞれのグループで、Sachikoの選択ののちの生活一場面をスチールイメージに。

私は幸せすぎるイメージにはリアリティーが感じられず、先生の助言で、再就職選択グループが「ハッピー!」グループと「やや不安」グループに分かれることに。ここでスチールイメージを自分たちで演じず、意見が異なる相手グループを素材に作ったのが面白い。「そうそう、こんな感じ」と、自分で見ることができたのでした。

人生は、選択の連続。いろいろな機会に、人生の選択の練習ができれば、きっと未来に生かすことができるでしょう。

これだけでも十分意味のある内容でしたが、ウォームアップのグレイドアップの方法や、途中での丁寧な説明と質疑によって、ファシリテーターとしての視線や技術が学べる、とてもステキなワークショップでした。

参加者が全員プレイバック・シアターのリーダープロジェクトのメンバーということもあって、言いたいことを言い、やりたいように目イッパイ演じ、また他のグループの熱演も鑑賞もして、「ああ、面白い!」。こんなことができるなんて、人間に生まれてきて良かった。

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「学びの即興劇」の劇って演劇?

2008-01-14 15:50:52 | 日記・エッセイ・コラム

「劇を演じてもらいます」と言ったとき、それを聞いた人には、ふた通りの反応があるように思います。「劇を演じるなんて嫌だ!」というのと、「演じるぞ!」というのと。

そのどちらにも、「うまく演じなくてはいけない」とか「うまく演じてやるぞ」といった意識があるように思います。だから、前者はなんとなく自信無げにへらへらしたり「ごめんね」とまわりに誤ったりします。後者は、「笑いをとる」と張り切ったりします。

でも、「学びの即興劇」http://www.drama-ee.net/の劇は、その時にイメージされている「劇」や「演劇」と違うと思えるのです。一般に劇というと、やはりシアターのほうを思い浮かべてしまうのでしょう。

「学びの即興劇」のワークショップをすると、参加者から「劇と言わないほうがいいのじゃないの?」と言われることがあります。「劇というのでオッカナビックリ来てみたのだけど、気がつけば抵抗なく演じていた」というのです。むしろ、「劇」を意識してしまった人のほうが、演じるときに楽しめなかったりします。

ドラマ教育ということばも、日本ではまだまだ普及しているとは言えない中で、「学びの即興劇」をイメージしてもらうのは難しい!体験者を増やしていくしか無いと思うのですが、それも一度に大勢に体験してもらうことができない。

あせってもしかない。ことしは「凶」の年でもあるし、ぼちぼちこつこつやっていくことにしましょう。

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演劇教育とドラマ教育と「学びの即興劇」

2008-01-13 21:28:00 | 日記・エッセイ・コラム

演劇教育とドラマ教育は同じなのか、違うのか。

広辞苑第五版では、ドラマは「①演劇。劇。芝居。②戯曲。脚本。③劇的な出来事。」となっています。どうも、これでは私の実感とは合わない。

そこで仮にドラマを「身体や言語を使った劇的表現」としましょう。演劇教育とドラマ教育は区別します。つまり、観客に見てもらうために上演するシアター(としての劇)と、自分自身や他者への気づきのために演じるドラマ(としての劇)を含めて、演劇と捉えるのです。演劇教育には、ドラマ教育とシアター教育が含まれるのです。

これまで、演劇教育というと、日本ではシアター教育であったように思います。
私の実践「学びの即興劇」http://www.drama-ee.net/はドラマ教育です。

コミュニケーションの手段として、話し合うがごとく、即興劇を演じてみる。

「私はこう思うよ」「いや、こうじゃない?」「じゃあそれ、どう違うのかちょっと身体を動かして、やってみようよ」
「今日は○○さんの誕生日」「じゃあ、即興の劇を演じてプレゼントしよう」
「同窓会。ひさしぶり~!」「『最近の私』をポーズで表現してみようか」

そんなノリで日常的にドラマが使えたら。

「即興劇」は一種の遊び。遊びでありなら遊びを越えたもの。私はドラマを、そんな「即興劇」を含めた劇的表現と捉えていてます。

だから、演劇や心理の専門家の領域ではなく、誰もが使えるものとして、学校教育に取り入れて欲しいのです。

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ドラマセラピーとドラマ教育と「学びの即興劇」

2008-01-11 09:05:28 | お知らせ

Photo 本の紹介2

『ドラマセラピーのプロセス・技法・上演』R.エムナー著・尾上明代訳(2007年)北大路書房

「学びの即興劇」http://www.drama-ee.net/の始まりは心理劇との出会いでした。それで、日本心理劇学会や西日本心理劇学会に属しているのですが、どうも私のやっていることは心理劇ではないと気づき始め、なんとなく居心地の悪い思いをしていました。

ドラマ教育に出会って、「学びの即興劇」はドラマ教育の一隅らしいと分かってきました。でも日本ではドラマ教育に関して研究や実践を積み重ねていくのは、まだまだこれからのようです。

この本は、ドラマセラピーについて書かれたものですが、とても視野が広く、ドラマセラピーの分野がどのような世界から成り立っているのかがまず示されています。また、ドラマとセラピーの過程との関わりが記述され、ドラマがそれぞれの過程でどのように使えるのか、よく分かります。ドラマについては様々なジャンルがあり、それが必要に応じてセラピーに取り入れられているを知ることができます。

訳者の尾上さんhttp://www13.plala.or.jp/dt/とは不思議なご縁で、最初は日本心理劇学会大会で、インプロのワークショップで参加者同士として出会い、次は私が受講したLプロ(プレイバック・シアター実践リーダーの養成プロジェクトhttp://playbacktheatre.jp/index.html)のドラマセラピー体験講座の講師としてお目にかかりました。

尾上さんが、「ドラマセラピーというのは、サイコドラマを含めてドラマのあらゆる分野を含んでいるのですよ」といわれた意味が、この本で良く分かりました。

セラピーという視点から書かれているので、自分の意志とかかわりなくクラスに配属された生徒たちには、用いることができないこともたくさん書かれています。でも、ドラマが個人の心理にどこまで影響を与えるかが分かるので、逆に「クラスではこれをやってはだめだ」ということを知る参考にもなるでしょう。

この本を読んで、「学びの即興劇」の手順というのもひとつの技術にすぎず、教育か心理治療かということで割り切れるものではなく、使い方だと思いました。

言葉を変えれば、教育と治療の線引きが曖昧な領域があり、であるからこそ、両方の分野の人がともにドラマについて語ることは、必要なことかもしれません。そういう意味では、私が心理劇の学会に属している事も意味があるのかも。

このような、ドラマ教育の本が欲しいと思いました。ドラマ教育にかかわる世界を広く見渡しながら、その人のドラマ教育実践全体が見えてくるような本。日本しか視野にない私が知らないだけで、探せば世界にはあるのでしょうか?だれか、教えて?

日本でも、ドラマ教育を長年実践している方はおられると思うのです。誰かが書いてくれることを期待しています。

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