日本の野球場の形状は、ほとんどが左右対称の扇形をしています。
しかし、大リーグのスタジアムの形状は左右非対称が圧倒的に多いそうです。
しかも、外野のフエンスが一部直線であったり、スタンドが飛び出していたり、フィールドがいびつな形状をしているのも珍しくありません。
なぜ、このように日本の球場の形状とアメリカの球場の形状がかくも異なるのでしょうか?
一つは国民性にも寄るのではないでしょうか?
つまり、几帳面な日本人は、左右対称を好みますが、アメリカ人気質としては、大雑把で、計画性がなく、見た目よりもその個性を重んじるのも一因しているように思います。
「フェイン・パーク」球場とその座席 (左翼には座席がありません)
今一つは、アメリカでは、球場を建設する時に、街に空いたスペースに造られることが多かったのも原因しているようです。
その代表的なのが、ボストン・レッドソックスの本拠地である「フェンウェイ・パーク」です。
この球場は、現存するものの中ではMLB(大リーグ)最古の球場で1912年に開場されましたが、何度かスタンドは改修され、観客数は3万6000人でこじんまりとしています。
建設に当っては、一つの街の一区画内に造られたため、本塁から中堅までの最深部が420フィート(約128m)、右翼フエンスまでが380フィート(約115.8m)、左翼ポールまでが310フィート(約94.5m)といびつな形状をしています。
左翼方向に本塁打が出にくくするために広げようとしても後方には建物や大きな道路があり不可能だそうです。
そこで、考えられたのが高さ37フィート(約11.3m)の巨大なフェンスが作られました。
左翼フェンス「グリーンモンスター」
当初は、広告に覆われていたのですが、1947年に緑色に塗られ「グリーン・モンスター」が誕生したのです。
このように、アメリカでは、当初の計画の段階とはかけ離れて場当たり的な改修を繰り返して、球場が出来上がったと言うわけです。