昨年の11月21日に”江戸っ子は自慢にならない”ということを書きました。
”江戸っ子”は、「粗忽で乱暴で物事のわきまえが足りなく、教養もなく、そのくせやたらと粋がって通人ぶり、人を馬鹿にして大きな事をいう」と・・・・・
確かに、江戸っ子は、少々危なっかしいところがありますが、悪意はなく、そそっかしいく、教養のなさが為せる業で、これを愛嬌と見るかで、評価の分かれるところです。
そのような中でも、人として生活する上で、最小限の「こだわり」があったようです。
「江戸しぐさ」は、今の時代でも快適に生きるためのヒントがあるようです。
越川禮子著の「江戸しぐさ」には、次のようなことが書いてあります。
その一部を抜粋すると
1、忙しい、忙しいと言うな。
忙しいとは心を亡くすと書きます、決して自慢できることではない。
2、そんなに偉い方とは知らずにと言うな。
偉くない人には無礼をしても良いのか
3、知ったかぶりをするな。
知らないなら知らないと言った方が良い
4、自分と違う意見をないがしろにするな。
意見が違うから参考になる
5、はい、はいと二度返事するな。
一度は了解、二度目は迷惑
6、初対面の人に年齢、職業、地位を聞くな。 三脱の教え。
聞いて付き合い方を変えるのか
三脱の教え こぶし腰浮かせ
7、常に人を思いやれ。 傘かしげ、肩引き、こぶし腰浮かせ。
傘かしげ・・・雨のしずくがかからないように、傘をかしげあって気配りして往来す
るしぐさ。
肩引き・・・狭い道ですれ違うとき、肩を引き合って胸と胸をあわせる格好で通る
しぐさ。
こぶし腰浮かせ・・・乗り合い船(今なら電車など)で腰の両側にこぶしをついて 軽く腰を浮かせ、少しずつ幅を詰めながら一人分の空間を作るしぐさ。
まだまだ、ありますが、この他は、後日機会があれば、載せたいと思います。
これらは、何時、生まれたのか、江戸の庶民だけだったのか、分かりませんが、いつしか、長い期間を通じて養われてきた、庶民の知恵ではないでしょうか?
この内容について、公共広告機構がコマーシャルで流していますが、今のせちがらしい時代だからこそ、そして現代の人が忘れていたことを思い出させて、生かしていく世の中であって欲しいものです。