19世紀後半に登場した電車は、まず路面電車として使われてきました。
が、モータリゼーションの進行とともに多くの国で姿を消してゆきました。
しかし、その自動車の増加による渋滞や排ガス公害などが深刻になり、その上高齢化や中心市街地の空洞化などの問題が発生すると、その対策案として、再び路面電車が見直されてきました。
モスクワの路面電車 フランスのLRT 芝生の上を・・
その案は、車両だけではなくソフト面まで含めた運行システム全体を革新されたもので、LRT(ライト・レール・トランジェット)と呼ばれる新しい路面電車が登場してきて、世界各国で普及しつつあります。
この内容については、昨年12月24日付けの当ブログでも紹介しましたが、今日は世界の路面電車について考えてみました。
LRTとは、再び紹介しますと、車両を低くして乗りやすくするだけではなく、電車の運行のあり方を見直して「利用しやすさ」を徹底して追及したもので、自動車を締め出した街路を歩行者や自転車とともに走ったり、電車優先信号を導入して自動車より早く目的地に着くように工夫され、交通機関としての信頼性を高めたものです。
路面電車が一番多くの都市で走っている国は、ロシアの68都市。
次にドイツの57都市。3位がアメリカの30都市。4位がウクライナの24都市。
日本は5位で19都市となっています。
距離的に長いのは、ドイツの3227Km。2位がロシアの2994Km。3位がウクライナの1098Km。日本は271Kmです。
日本の路面電車
日本でもっとも路面電車が発達しているのが広島市で低床電車が街のメインストリートを数分おきに行き交っています。
LRTの発達が著しいのはフランスのストラスプールで1994年の開業以来、デザインも素晴らしく、世界の注目を集めています。
ここでは、電車が走る中心市街地は自動車の乗り入れ禁止し、専用軌道には芝生を敷き詰めて電車の騒音を低減しています。
これからも日本でも路面電車を見直しされ、LRTを中心に検討している都市が多くあります。
函館市、新潟市、宇都宮市、東京都、堺市、京都市、伊丹市などで、伊丹市は大阪国際空港からJR伊丹駅までの区間をLRTで検討しているようです。
燃料電池で走るSMIMO
また、川崎重工では架線レスで燃料電池で走るSMIMOと呼ばれる電車の開発も行なっています。