今日は昼から夜7時過ぎまでの勤務だった。その最後の営業所前行き… 一つ手前のバス停を「○○停、通過します」と言ってから通過した。すると「ピィーッ!」と降車ブザーが鳴った。その時点で乗客は3~4名… 私は「終点なのにボタンを押す人が乗っていたか… まぁ、いつものことだな」と思った(ココが重要!)。実際、そういう人が意外と多いのである。
ところが、今回は背後から「なんで止まってくれないの?」という男の声がした。もう既にバス停どころか交差点も過ぎているのに… 私は、その男の言い方が“慌てた感じではない”ことに疑問を感じたので、そのまま走り続けた。前述のように、私が「いつものことだな」と思うくらいの“間”があったので、瞬間的に「怪しい」と思ったのだ。私の経験から言うと、本当に降車ボタンを押すのを忘れていた場合は、ボタンを押すと同時に(あるいはボタンを押す前に)「あ、すいません~」「あ、ちょっと~」などの声が出るのが普通だからである。
終点手前の赤信号でバスが止まると、背後席から白髪のジジイが降りてきた。そして「どうして止まらないんだ!」「あそこ(交差点を過ぎたところにある別路線のバス停)で止まったからって、20分も30分も変わらんだろうが!」「どうして運転士によってやることがバラバラなんだ!」「少しくらい止まってくれたっていいだろう!」「この前は止まってくれたぞ!」「ホントに意地が悪いなぁ!」などなど… 大声で怒鳴り続けた。
私は基本的に黙って聞いていたが、さすがに“意地が悪い”と言われた瞬間にはムカッと腹が熱くなった。が、そんなジジイと同じ土俵に立つのは嫌だと思ったので、“この前は止まってくれた”という点についてだけ「以前にも、そういうことがあったならば尚更… 早めにボタンを押してくれれば、何も問題はなかったでしょう!」と言った。が、私の言うことは聞いてないようで… ジジイは一方的に怒鳴り続けていた。だから、もう私は何も言わなかった。そして、信号が青に変わり、バスを発車させて、いつものように「ご乗車ありがとうございました~(以下略)~」と言いながらバスを止めた。
営業所に戻って先輩運転士と話をしていたら、「そのジジイは、交差点を過ぎた別路線のバス停で降りたかったんじゃないのか?」と言われた。なるほどぉ… そういう考えもあるなぁ… 私は、そのジジイこそ意地が悪く、わざとあのタイミングでボタンを押したのかと思っていたのだが…??? 再会を楽しみにしていよう。