昼間の乗客の大半を占めるお年寄り… 疲労や睡魔に襲われている人が多い通勤通学客とは違って「お願いします」「ありがとう」と声を掛けてくれる人が多いので、個人的には好きな時間帯である。
そのお年寄りのほとんどがフリーパスを見せて乗車するのだが… 中には“見せ方が怪しい人”もいる。まぁ、たまたま私から見えにくい角度になっただけだろうと思って、基本的には何も言わずに“スルー”している。
ある時、フリーパスが入っていると思われる黄緑色のケースをカバンから取り出したのはいいけれど、そのケースを私に対して垂直に持ったままで… 肝心の券面を見せてくれないお婆さんがいた。しかしまぁ… とても悪意があるとは思えない表情だったのでスルーした。
また、ある時は… フリーパスを取り出そうとカバンの中に手を入れてゴソゴソやりながら乗ってきたお婆さんがいた。しかし、なぜか歩みを止めることなく、そのまま何も見せずに行こうとしたので、さすがの私も「すいません…」と引き止めた。
が、聞こえているのかいないのか、すぐに振り向かなかったので、私は二度三度と呼び続けた。そして、ようやく振り向いたお婆さんに対して「フリーパスか何か…」と言いながら、両手で四角形を作って見せた。
すると、お婆さんは「あら、ごめんなさい。私、何をやってるんだろうね。すっかり忘れてしまって… はい、これ!」と言いながら、フリーパスを提示したのだが… バスを降りる時には、車内ミラー越しに私を睨み付けていたのである。
えっ!? それは睨み付けていたんじゃなくて、熱い視線を送っていたんじゃないのかって? そうやってキッカケを作ろうとしているのかもしれないって? そうか… なるほどぉ… ならば私の方から“もう少し若い世代の女性”をターゲットに呼び止め作戦を…
あ、しかし… お年寄りのフリーパスなどは提示方式だが、若い世代はICカードで「ピッ」「ピッ」「ピッ」だもんなぁ… 「ちょっと見づらいんですけど…」というような呼び止める理由がないではないか! う~む…
ならば、「すいません!」と呼び止めておいて「いや、あまりにも美しかったものですから~」と言え… ないっす! そんなことを言えるのは某“不倫=文化”タレントくらいでしょう。ハハハ…(とか何とか言いながら、実は「一度、言ってみたい」と思っていたりして…)