「真珠の耳飾りの少女」たしか2000年初夏に大阪市立美術館で並んで見ました。
青いターバンとじっとこちらを見ているつぶらな瞳が印象的でした。
あれから月日が流れ、今度はオランダのハーグにあるマウリッツハウス美術館でじっくり眺めることができました。
マウリッツハウス美術館は、もともと17世紀にブラジルの総督を勤めたヨハン・マウリッツ伯爵の邸宅だったそうです。
大きすぎるといわれる真珠のイヤリングも至近距離で見れました。
確かに眼球よりでかい。
イヤフォンガイドで、白い絵の具一筆が真珠の光沢を見事に表現していると言ってました。
今でこそフェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」
本人が失意の中で43歳の若さで亡くなった後、
未亡人は五人の子供がいて、その生活苦から現在の価値で1ユーロほどでこの絵を売却してしまったと聞きました。
作品にしばしば登場する鮮やかな青は、「フェルメール・ブルー」と呼ばれています。
この青は、ラピスラズリを原料にして作る「ウルトラマリンブルー」という絵の具で、
当時は金よりも貴重であったといわれています。
聖母マリアのマントなどの限られた部分にしか使わない貴重な絵の具であったウルトラマリンブルー。
フェルメールはドレスの下地に使うという当時の常識としては考えられない贅沢な使い方をしたそうです。
「牛乳を注ぐ女」
アムステルダム国立博物館蔵
ここでもフェルメールブルーが使われています。
そして室内の風景を描く際によく用いられた斜め45度から入射する天然光。
日常的な題材に崇高な雰囲気を与え、光の達人といわれるゆえんです。
「デルフトの眺望」という有名な絵画もマウリッツハウス美術館にあります。
フェルメールはデルフトという陶器の町で生まれました。
デルフト焼きのブルーもいい青色でした。