秋麗(あきうらら)

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幕末の奇想の絵師「没後150年 歌川国芳展」

2011-05-08 | 日々是好日
大阪市美術館で「没後150年 歌川国芳展」を観てきました。
今日5/8までが前期展示で、10日から後期展示で400余点も公開されるそうです。

江戸時代末期の同時期に活躍した葛飾北斎や歌川広重に比べると、
歌川国芳って誰?って感じでこれまで全く知りませんでした。


東日本大震災の前に、浮世絵に「スカイツリー」が予言されてる?と話題になりました。

歌川国芳「東都三ツ股の図」1831年(天保2)ごろの作品

隅田川にシジミ取りの舟が浮かび、手前には舟底をいぶす2人の職人が描かれ、左奥は対岸の江戸・深川辺りで、他の建物を圧するような細長い構造物が二つ見える。
左側の低い方は当時存在した火の見櫓とされ、その右の巨大な組み立て式の塔は実在しなかったという。
 

この浮世絵を所蔵していた川崎・砂子の里資料館の斎藤文夫館長は
「当時は江戸城より高い建物は建てられない決まりがあった。
江戸の街を見下ろしており、東京スカイツリーを予想したような恐るべき独創性に驚く」と話している。

この話題をTVや新聞で見ても、歌川国芳の名前は記憶に残らなかった。

先月、坐摩神社について調べていて、天満橋あたりの渡辺津のつながりで渡辺綱の浮世絵がヒットしました。
  
歌川国芳『本朝武者鏡 渡辺綱』 大判錦絵 安政2(1855)年 

これでやっと記憶に残り、たまたま大阪市立美術館で展覧会だったのです。

今回の展覧会で印象に残ったものはたくさんありますが、
館内撮影禁止ですから、画像検索でうまく拾い出せたものをご紹介します。

「しんば連 魚かし連 市川三升へ送之」

幟(のぼり)に朱で書かれた鐘馗さま。
ワクチンが無かった時代、疱瘡を軽くする疱瘡除けだったそうだ。
鐘馗さまの顔は、江戸より追放され大阪で暮らしていた5代目市川海老蔵の似顔絵。

「坂田怪童丸」
 
坂田金時、いわゆる金太郎さんです。

「金魚づくし 百ものがたり」
 

「牛若丸僧正坊隋武術覚図」

鞍馬山で源義経に武術の手解きをする大天狗の鞍馬山僧正坊(中央)がなんとなく西洋人のような雰囲気。
去年鞍馬天狗で記事にした時に思ったのと同じようでちょっとうれしかった。

「開運出世合体七福神」
 


20世紀後半になってから「幕末の奇想の絵師」として注目され再評価されるようになった 歌川国芳。

ウイットに富み、ユーモアがあり、構図が大胆で近代的アングル、
シュールでエキゾチック。
こう評価されてると見たくなるでしょう。

没後150年 歌川国芳展

2011/4/12~6/5 大阪市立美術館
2011/7/9~8/21 静岡市美術館
2011/12/17~2012/2/12 森アーツセンターギャラリー(東京・六本木ヒルズ)