「誰もが小泉政治を見誤っていた」と帯に書かれた表題の本を読みましたです。
たいそう面白かった。
マスコミ関係者はもとより、小泉あんちゃんを支持された皆々様こぞって読むべきご本でおます。
著者の上杉隆氏はフリーのジャーナリスト。
数々のスクープをものにしておるが、自らの大誤報もきっちり掲載し、自ら検証しておる。
まことに好感の持てるお方じゃ。
そしてなによりこの本は、「小泉純一郎」という男をしっかり見抜いた本でありました。
印象的だったのは以下のくだりじゃ。
「その番組中に、小泉は驚くべき失態を演じている。キャスターの小栗泉が郵政民営化法案の冊子を持ちながら、『小泉総理はもちろんお読みになっていると思いますが』と水を向けた瞬間だった。『そんなの全部読めるわけないじゃないか。だいたい政治家でそんなもん全部読んでる人なんていませんよ』歴代の総理大臣なら致命傷になりかねない発言が、小泉の場合にはなぜかそのまま通ってしまう。あまりにも堂々とした発言にスタジオは静まりかえり、他の党首も二の句が継げぬまま、番組は次の話題に移行してしまった」
ようは郵政民営化を推進しておったご本人も、この民営化を分かっておらんかったということ。
凄いお方じゃねぇ。
一方、次のように小泉を評価しておる。
「オフレコは一切なく、その善悪は別として、さまざまなメディアを通じて直接国民に語り掛ける。永田町の風土は大きく変わり、テレポリティクスと呼ばれはしたがメディアの重要性は高まった。少なくとも、前政権よりは政治の意思決定過程における密室性は薄まっている」
ジャーナリストを目指す若者にもぜひお読みいただきたいもんじゃ。
お勧め本でございます。