曇り空の朝でござります。
予報ではこれから雨ってことらしい。
秋は雨ばかりで、なんともうっとおしいことになっておる。
さて、
「鞆の浦」で行われようとしておった、埋め立て・架橋事業が、差し止めとなった。
「コンクリートより環境」を選択した画期的な判決でござった。
なにせ鞆の浦は、万葉集に詠まれた景勝地で、宮崎駿さんのアニメ「崖の上のポニョ」の舞台だそうだ。
地元住民はというと、渋滞で困っておったりして、すんなり喜べないそうだけど、こういうのはやむを得ないことになっておる。
例えばイタリアのローマ。
家の建て替えからなにから、法律でギチギチに規制され、さっぱりなんにもできないことになっておる。
地面をちょっと掘れば、そこらじゅう遺跡なのだから、どもこもならん。
ではありますが、これがこの街の観光資源であり、国の財産なのじゃ。
現代的な快適住宅に住みたいローマ人は、郊外に出て行くことになっておる。
歴史的な遺産を後世に残すってのは、ことほど左様なこと。
地元の皆さんには、まことにご愁傷様でござりますが、この判決を真摯に受け止めていただきたいのじゃ。
渋滞もあって住みにくいかもしらんけど、後世に美しい風景を残すのが、住民の務めと心得てくだされ、悪いけど…
ともあれ、こういう判決が出たこと事態が、まさに画期的じゃ。
おぢに言わせりゃ、当たり前田のクラッカーだけど、自民党政権ではこうはいかなかったはず。
ダム建設を凍結する民主党政権の流れを受けた判決でござりますかね。
これまでなら、いくら裁判官が、「環境第一」と思っておっても、三権分立といっておっても、時の政権に逆らう判決は、なかなかにしんどい。
裁判官様も、ヘタすりゃ左遷もあるってことだった。
そう考えると、政権交代ってのは、まことに大きな変化といえましょう。
一方、ダム建設中止なら鹿島建設などのゼネコン、高速道路無料化ならそれに加えてJRやバス会社が大きな影響を受けまする。
とはいえ、「コンクリートから環境、人へ」の流れは、この先最低4年から8年は続くであろう民主党政権の間、変わらないことになっておる。
ニッポン丸は、大きく舵をとって、動き出した。
これも時代の要請じゃ。
いい世の中になるとよいのですが、どうじゃろか?