西暦838年の神津島噴火の白い火山灰は大島全土に降り積もり、1cmほどの厚さで残っていて、他の噴火の年代を読み解くための大切な手掛かりとなっています。
その白い層を見るのに一番適した場所の一つが、外輪山の上に建つ温泉ホテルの駐車場です。
ところが先日ジオパークの事務局から「地層を見やすくするために土壁を削ったら、白い層がなくなってた!」という情報が入りました。
理由を専門家の方に問い合わせたところ「白い層が積ったあと地表が削られて、その跡を上層が覆ったのでは。」という回答だったようです。
…で、今朝のことです。「大島先生が白い層を実際に自分の目で確認したいから大島に日帰りでいらっしゃる。」という連絡をもらいました。大島先生は長年、伊豆大島の火山を研究されてきた専門家です。
「それはぜひ一緒に行かなければ!」
…ということで、数人に声をかけて現場に集合しました。
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確かに白い線は壁の半分ぐらいから無くなり、数m離れた所からまた始まっています。
白線がなくなる部分
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みんなで壁面にはりつきながら、謎解きが始まりました(^O^)
「ここ、面白いですよ」
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「あ、ホントだ。白い線が途切れて上の茶色い層が下に入り込んでる!」
「アカネズミがタネを埋めるために掘ったんじゃないの?」
「あのう、1回の噴火で積ったものか別の時代のものかどうやって見分けるんですか?」
ガイド陣からは、質問続出です。
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「風向きや噴火の強さによっては、バア~!!っと溶岩が降って、これぐらいの厚さが一度で積ることもあるんですよ。」と大島先生はジェスチャーを交えつつ、噴火の様子を再現してくれます。(このジェスチャーに引き込まれました(^。^))
同じ形、サイズの溶岩が積ったように見える場所でも、ジックリ見るとつぶの大きさに違いがあって、噴火が様々なパターンで起こっていたことを想像することができます。
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ここは真ん中に少し小さい赤い粒がはさまれているので、一度噴火が弱くなったと見て良いようです。
また下の写真の明るい茶色部分は風化火山灰で、火山灰が風雨にさらされ安定していなかったと見て良いようです。
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同じ火山灰でも、下の黒い部分は噴火で積ったあと安定していた部分だとのこと。
この読み取り方を聞いて私が不思議に思ったのは、白い線の上に赤茶色の層が乗ってることでした。
「上の層が不安定なら、なんで白い火山灰は一緒に動かなかったのだろう?」と思ったのです。
大島先生の回答は…?
「たぶん白い層は粘土っぽい細かい粒で、水を通しにくかったのかもしれません。ほら、木の根っこはみんな白い層より上に多いでしょう?下の黒い層にはほとんどないじゃないですか?下には水が行きにくいのでは?」
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なるほど、そう言われてみれば確かにそんな気も…。
さて、たっぷり1時間以上かけて「消えた白い線の謎」を考えたあと、午後は南部海岸“平床”へ向かいました。
先生が「どこでも希望を行っていただければ、そこへ行きますよ。」と言って下さったので、先日の「大きな帽子の謎」を解きたくて、リクエストしたのです。
“大きな帽子”の前で考え込む大島先生です。
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「うむむ~、火山だけではなく海の影響があるから謎解きが難しい」by大島先生。
みんなからも次々に「これどうなってんの~?」の声があがります。
石を硬くなった砂(?)が、巻き込んでます。
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こちらは上に乗ってます。
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「あ~でもない、こ~でもない。」
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「ウ~ン、帽子が笑ってるなぁ。こんなこともわからないのかって言ってる。」by大島先生。
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ホントに笑っているように見えますね。
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え?見えません??
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「ウヒャヒャヒャ~」by帽子(?)
たぶん30分近く“巨大な帽子”の周りを観察してすごしました。
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大島先生は巨大津波がきて海底の砂が溶岩の上につもり、水が抜けて硬くなり、その一部が波で削られずに残ったのかもしれないと考えたようです。海ではマグマが水と接触することで激しい爆発が起きて、飛び散ったものが近くに降り積もることもあるそうです。
目の前の景色をつくるのに、火山、津波、台風と様々な出来事が組み合わさっているのですね。
まるで黒い怪獣が海から陸に這いあがっているように見えるこの風景も…
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どんな過去の出来事がつくりだしたものなのでしょう?
では読者の皆さんにも、少し謎々のおすそ分けです(笑)
これ、どうしてこういう形になったと思いますか~?(^O^)
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帰り際、高い所に登ってみましたが、ここも不思議な風景がたくさんありました。
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火山と海とが接する火山島だからこそ楽しめる“謎解き”の数々…
楽しい1日でした(^O^)
(カナ)
その白い層を見るのに一番適した場所の一つが、外輪山の上に建つ温泉ホテルの駐車場です。
ところが先日ジオパークの事務局から「地層を見やすくするために土壁を削ったら、白い層がなくなってた!」という情報が入りました。
理由を専門家の方に問い合わせたところ「白い層が積ったあと地表が削られて、その跡を上層が覆ったのでは。」という回答だったようです。
…で、今朝のことです。「大島先生が白い層を実際に自分の目で確認したいから大島に日帰りでいらっしゃる。」という連絡をもらいました。大島先生は長年、伊豆大島の火山を研究されてきた専門家です。
「それはぜひ一緒に行かなければ!」
…ということで、数人に声をかけて現場に集合しました。
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確かに白い線は壁の半分ぐらいから無くなり、数m離れた所からまた始まっています。
白線がなくなる部分
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みんなで壁面にはりつきながら、謎解きが始まりました(^O^)
「ここ、面白いですよ」
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「あ、ホントだ。白い線が途切れて上の茶色い層が下に入り込んでる!」
「アカネズミがタネを埋めるために掘ったんじゃないの?」
「あのう、1回の噴火で積ったものか別の時代のものかどうやって見分けるんですか?」
ガイド陣からは、質問続出です。
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「風向きや噴火の強さによっては、バア~!!っと溶岩が降って、これぐらいの厚さが一度で積ることもあるんですよ。」と大島先生はジェスチャーを交えつつ、噴火の様子を再現してくれます。(このジェスチャーに引き込まれました(^。^))
同じ形、サイズの溶岩が積ったように見える場所でも、ジックリ見るとつぶの大きさに違いがあって、噴火が様々なパターンで起こっていたことを想像することができます。
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ここは真ん中に少し小さい赤い粒がはさまれているので、一度噴火が弱くなったと見て良いようです。
また下の写真の明るい茶色部分は風化火山灰で、火山灰が風雨にさらされ安定していなかったと見て良いようです。
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同じ火山灰でも、下の黒い部分は噴火で積ったあと安定していた部分だとのこと。
この読み取り方を聞いて私が不思議に思ったのは、白い線の上に赤茶色の層が乗ってることでした。
「上の層が不安定なら、なんで白い火山灰は一緒に動かなかったのだろう?」と思ったのです。
大島先生の回答は…?
「たぶん白い層は粘土っぽい細かい粒で、水を通しにくかったのかもしれません。ほら、木の根っこはみんな白い層より上に多いでしょう?下の黒い層にはほとんどないじゃないですか?下には水が行きにくいのでは?」
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なるほど、そう言われてみれば確かにそんな気も…。
さて、たっぷり1時間以上かけて「消えた白い線の謎」を考えたあと、午後は南部海岸“平床”へ向かいました。
先生が「どこでも希望を行っていただければ、そこへ行きますよ。」と言って下さったので、先日の「大きな帽子の謎」を解きたくて、リクエストしたのです。
“大きな帽子”の前で考え込む大島先生です。
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「うむむ~、火山だけではなく海の影響があるから謎解きが難しい」by大島先生。
みんなからも次々に「これどうなってんの~?」の声があがります。
石を硬くなった砂(?)が、巻き込んでます。
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こちらは上に乗ってます。
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「あ~でもない、こ~でもない。」
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「ウ~ン、帽子が笑ってるなぁ。こんなこともわからないのかって言ってる。」by大島先生。
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ホントに笑っているように見えますね。
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え?見えません??
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「ウヒャヒャヒャ~」by帽子(?)
たぶん30分近く“巨大な帽子”の周りを観察してすごしました。
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大島先生は巨大津波がきて海底の砂が溶岩の上につもり、水が抜けて硬くなり、その一部が波で削られずに残ったのかもしれないと考えたようです。海ではマグマが水と接触することで激しい爆発が起きて、飛び散ったものが近くに降り積もることもあるそうです。
目の前の景色をつくるのに、火山、津波、台風と様々な出来事が組み合わさっているのですね。
まるで黒い怪獣が海から陸に這いあがっているように見えるこの風景も…
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どんな過去の出来事がつくりだしたものなのでしょう?
では読者の皆さんにも、少し謎々のおすそ分けです(笑)
これ、どうしてこういう形になったと思いますか~?(^O^)
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帰り際、高い所に登ってみましたが、ここも不思議な風景がたくさんありました。
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火山と海とが接する火山島だからこそ楽しめる“謎解き”の数々…
楽しい1日でした(^O^)
(カナ)