今年は、樹皮が剥がされた木を良く見かけます。
1ヶ月ほど前の樹海で無惨な状態で、皮を剥がれた木を目にしました。

その後、樹皮をはがれた木の数が、どんどん増えて来ました。
被害にあっている木の種類は、オオシマザクラが多くて、アカメガシワ、タブノキなど様々です。
国指定の特別天然記念物、樹齢800年の桜株も、被害にあっていました。

何本かの枝が白くなっているのがわかるでしょうか?

犯人は誰?
…私は、タイワンリスの仕業かなぁと考えていました。
タイワンリスは椿の木に、よくこんな歯形をつけています。
歯がむずがゆくて、かじっているのでしょう。

タイワンリスの歯は1ヶ月に0.25cm伸びるという説もあります。この速度、人間の爪が伸びる早さの2~3倍ですから、歯を研ぎたくなるのもわかるような気はしますが…
ヤブツバキの幹のみならず色々なものをかじるので、人間もけっこう困っています。
表に出ている水道管をかじられて水が漏れたり、光ケーブルをかじられてインターネットがつながらなくなったり、屋根材剥がされて巣材用に丸められたり(これ、我が家)。
何より大島の産業でもある椿油採取用のタネを食べてしまいます。
彼らも生きるために必死なのでしょうが、数が増え続けているのが問題です。
さて、一昨日のこと…
自宅前のアカメガシワの木が、まるで白樺のように真っ白になっているのに気づきました。

上の方の細い枝まで、きれいに皮を剥がされています。
木の上にはリスがいました。

しかも3匹!(写真以外にもう1匹いました)
リスは、夢中になって木の皮を剥いでいました。
まず、歯を突き立てて…

樹皮をベリベリと剥がし…

剥がしたあとを舐めているようでした。

樹液を舐めているのでしょうか?
再び、樹皮を剥がします。

かなり踏ん張っているので、けっこう力がいる作業なのかもしれません。
そして剥がした後に現れる白い部分を、口に含んでモグモグ食べていました。

タイワンリスの胃内容物を調べた研究によると、タイワンリスは木の実、タネ、柑橘類、昆虫、幼虫、そして葉や樹皮を食べているようです。
(詳しいことを知りたい方は、以下の文献をご覧下さい)
http://es.ris.ac.jp/~es/kiyou/201_tanpou_TSUKAMOTO_SUDA.pdf
樹皮といっても、外側の固い部分は食べず、その内側の「形成層」と呼ばれる、木の成長のための組織を食べているそうです。形成層には糖やタンパク質が含まれているとのこと。
今年は、秋の木の実が不作なので、リス達も空腹なのでしょうか?
それにしても、この剥ぎ方…

この木が特別美味しいのでしょうか?
「木の下はどうなっているのだろう?」
見に行ってみたら、こんな状態でした。

これはスゴイ…。

「そんなに美味しいのかなぁ?」と思ってじっくり観察してみました。
確かに表皮の内側は柔らかそうでしたが…味をみるのはやめておきました。

だって、リスの食べ残しだし…。
こんど、新しいのを食べてみます。
リスに皮をほどんどはがれた木は、どうなるのでしょうか?
枯れてしまうのか、それとも根元から新しい枝を出して再生するのか…?
そして空腹で樹皮を食べはじめた大島のリス達は、この冬どうなるのでしょうか?
今年の秋の実が少ないのは、異常気象(と言っても何が普通なのだかわかりにくくなっていますが)のせいもあるだろうけれど、リスが増えすぎて花芽を食べてしまい、実が減っているということもあるのではないかと言っていた人がいます。長い目で見れば、そういうこともあるような気がしました。
ところでタイワンリスは本来大島にいなかった生物で、人が島に持ち込み逃がしてから、繁殖していったと言われています。人間にとって害獣でも、タイワンリスたちは、ただ必死に生きているだけ…。
目の前の木の惨状を見ながら、この原因の一端は私たちにあると思うと、少し複雑な気持ちになりました。複雑に結びつく自然のサイクルの中で、私たちはどこに向かえば良いのでしょうか?
(カナ)
1ヶ月ほど前の樹海で無惨な状態で、皮を剥がれた木を目にしました。

その後、樹皮をはがれた木の数が、どんどん増えて来ました。
被害にあっている木の種類は、オオシマザクラが多くて、アカメガシワ、タブノキなど様々です。
国指定の特別天然記念物、樹齢800年の桜株も、被害にあっていました。

何本かの枝が白くなっているのがわかるでしょうか?

犯人は誰?
…私は、タイワンリスの仕業かなぁと考えていました。
タイワンリスは椿の木に、よくこんな歯形をつけています。
歯がむずがゆくて、かじっているのでしょう。

タイワンリスの歯は1ヶ月に0.25cm伸びるという説もあります。この速度、人間の爪が伸びる早さの2~3倍ですから、歯を研ぎたくなるのもわかるような気はしますが…
ヤブツバキの幹のみならず色々なものをかじるので、人間もけっこう困っています。
表に出ている水道管をかじられて水が漏れたり、光ケーブルをかじられてインターネットがつながらなくなったり、屋根材剥がされて巣材用に丸められたり(これ、我が家)。
何より大島の産業でもある椿油採取用のタネを食べてしまいます。
彼らも生きるために必死なのでしょうが、数が増え続けているのが問題です。
さて、一昨日のこと…
自宅前のアカメガシワの木が、まるで白樺のように真っ白になっているのに気づきました。

上の方の細い枝まで、きれいに皮を剥がされています。
木の上にはリスがいました。

しかも3匹!(写真以外にもう1匹いました)
リスは、夢中になって木の皮を剥いでいました。
まず、歯を突き立てて…

樹皮をベリベリと剥がし…

剥がしたあとを舐めているようでした。

樹液を舐めているのでしょうか?
再び、樹皮を剥がします。

かなり踏ん張っているので、けっこう力がいる作業なのかもしれません。
そして剥がした後に現れる白い部分を、口に含んでモグモグ食べていました。

タイワンリスの胃内容物を調べた研究によると、タイワンリスは木の実、タネ、柑橘類、昆虫、幼虫、そして葉や樹皮を食べているようです。
(詳しいことを知りたい方は、以下の文献をご覧下さい)
http://es.ris.ac.jp/~es/kiyou/201_tanpou_TSUKAMOTO_SUDA.pdf
樹皮といっても、外側の固い部分は食べず、その内側の「形成層」と呼ばれる、木の成長のための組織を食べているそうです。形成層には糖やタンパク質が含まれているとのこと。
今年は、秋の木の実が不作なので、リス達も空腹なのでしょうか?
それにしても、この剥ぎ方…

この木が特別美味しいのでしょうか?
「木の下はどうなっているのだろう?」
見に行ってみたら、こんな状態でした。

これはスゴイ…。

「そんなに美味しいのかなぁ?」と思ってじっくり観察してみました。
確かに表皮の内側は柔らかそうでしたが…味をみるのはやめておきました。

だって、リスの食べ残しだし…。
こんど、新しいのを食べてみます。
リスに皮をほどんどはがれた木は、どうなるのでしょうか?
枯れてしまうのか、それとも根元から新しい枝を出して再生するのか…?
そして空腹で樹皮を食べはじめた大島のリス達は、この冬どうなるのでしょうか?
今年の秋の実が少ないのは、異常気象(と言っても何が普通なのだかわかりにくくなっていますが)のせいもあるだろうけれど、リスが増えすぎて花芽を食べてしまい、実が減っているということもあるのではないかと言っていた人がいます。長い目で見れば、そういうこともあるような気がしました。
ところでタイワンリスは本来大島にいなかった生物で、人が島に持ち込み逃がしてから、繁殖していったと言われています。人間にとって害獣でも、タイワンリスたちは、ただ必死に生きているだけ…。
目の前の木の惨状を見ながら、この原因の一端は私たちにあると思うと、少し複雑な気持ちになりました。複雑に結びつく自然のサイクルの中で、私たちはどこに向かえば良いのでしょうか?
(カナ)