グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

2回目の理科授業 3日目

2013年06月02日 | ツアー
高校生の理科授業ツアー3日目は、元町を徒歩のみで回るコースを組み立てました。

火山博物館の入り口にある、大きな火山弾で出発前に記念撮影。

この火山弾、計算したら10数トンの重さがあるみたいです。
こんなものを吹き飛ばす噴火って、スゴイですよね~。

博物館の裏にある砂防ダム。
ここで問題を出しました。「この大きな鉄パイプは何?」

「鉄パイプを冷たくして、溶岩流を冷やし固めるとか?」う~む、なんて素敵なアイデアでしょう!
いつかそんな装置が開発される日も来るかも??

他に「石を止める」という声も聞かれました。

正解は土石流や、山体崩壊などで流れてくる巨木巨石を止めるため。みんな石は思いつくのだけれど、木が流れてくることはなかなかイメージできないようです。(私も石のことばかり考えていました)

会話の中で「木が引っかかれば、次にそこに他のものが引っかかるものね。」という声があがります。
そうそう、そうですよね~。

砂防ダムの次は「海の精(塩の製造工場)」に立ち寄りました。人間が生きるためになくてはならない塩…その塩作りの現場を、理科専攻の高校生達に見てもらいたいと思ったのです。

「海の精」の倉庫の中で、DVDを見せてもらいました。

塩について、塩作りについて、コンパクトにまとまったDVDです。
全員に塩のお土産まで、いただきました!(海の精さん、ありがとうございます!)

DVDの後は工場見学。
案内の人がついて、いろいろな解説をしてくれます。

「塩は匂いがつきやすいから」ということで、全員キャップをかぶっています。
これも使い捨てのものが、1人1枚用意されていました。

大きな釜で、海水がグツグツ煮立っていました。

湯気がモクモク上がっていて、見応えありです。

辛島と2人で感心したのがこれ。
「あるべき姿」と書いてあります。

こうなっていれば、誰でも整理整頓できますもんね。
「汚れのない良い塩をつくるために、周りの環境も整える」というポリシーのようです(感心)。

さて、この後元町のメインストリートを歩き…

「潮音寺」というお寺の境内に入りました。

若い火山の島故に地面の水はけが良く、昔から水の苦労が耐えなかった大島での「雨水を利用するための仕組み」を見てもらいたかったのです。

で、この仕組みの前で「島ではこれを何と呼ぶでしょう?」というクイズをやっていたら…

お堂のドアがガラリと開いて、住職さんが牛乳せんべいを振る舞ってくれました!
朝、大勢で押しかけるからと電話でおことわりしておいたのですが、それを聞いてお菓子を用意してくれたようです。

本日2回目の頂き物。
大島の人の「もてなしの心」本当に素晴らしいです。

お堂にも入れてもらいました。


ちょっと驚いたのが、お堂の中に置いてあったこの小冊子です。

若いお坊さん達が宗派を越えて、協力して出しているフリーペーパーなのだそうです。
中身を読ませてもらったら…

「カボチャの豆腐クリームパスタ フレッシュハーブ風味(ヘルシー精進レシピ)」
「経典を斜めから読む会~仏教は失恋に効くのか!?~」等など…。

これを見て「時代は変わっているんだなぁ~」とあらためて思いました。

さて、このあと“椿油絞り工場”や海岸に突き出た“長根岬”に立ち寄り、お昼をはさんで海岸を散歩しました。

みんな日に日に夜が短くなっているらしく(完徹組もいたらしい)、かなりお疲れモード。

でも一部の元気な生徒さん&先生たちは、海岸の地層や、縄文人が飼っていた(と言われている)イノシシの骨を熱心に観察していました。


漂着していたウミガメも!

(このウミガメは、漂着後2回砂に埋めたのに、また出て来てしまったもののようです。砂の下に固い溶岩があり、あまり深く掘れないとのこと。成瀬談)

そして最後の締めにふさわしい(?)急坂を登って、この日のツアーは終了したのでした。 

心配していた雨もなく、無事終わってホッとしました。

ところでこの日はクイズを作って解きながら回っただけでしたが、次回はもう少し別のやり方が工夫できるのではないかと、終了後スタッフで話しています。特にインパクトのある火口や裏砂漠に比べ、3日目の元町一周は、もっとみんなが盛り上がれるプログラム(疲れが吹き飛ぶような!)を探したいです。

2泊3日なら、午前と午後で5コマ。
それぞれが個性的で伝えたいことが明確なプログラム作り…来年に向けて少しずつ準備開始です~。

(カナ)

コメント
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