グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

自然の恵み

2013年06月07日 | 植物
待ちに待った楽しい季節がやってきました。

島の至る所で白い花を咲かせていたカジイチゴが、ようやく食べ頃を迎えています。
特に、三原山の遊歩道沿いはスゴイ事になっています。

家の周りや海沿いにもありますが、数が少ないので熟すとすぐに鳥達に食べられてしまいます。

しかし、此処は数が半端じゃありません。



更に、山には猛禽類が多いので、木の実を餌とする小鳥たちも余り近付かないのかも知れません。

そんな訳で、こんな”プリプリジューシーな実”が沢山有るのです。



カルデラを囲む外輪山の淵には、モミジイチゴの群生地もあります。



こちらの方がカジイチゴより甘くて美味しいという方も居ますが
私にはその違いが判りません。(どちらも美味しい!)
こちらは鋭い棘が有るので痛い思いをするリスクの分だけ、甘く感じるのかも知れませんね。



カジイチゴとの違いは、花が小ぶりで下向きに付くこと
そして、画像にも少し写っていますが棘があることです。

イチゴ繋がりでもう一つ。

細い枝にビッシリとついたヤナギイチゴです。



前に食べた時は、ザラッとした食感で余り美味しく感じられなかったのですが
今回は中々いけました。 見るからに美味しそうでしょ~。

オオシマザクラの実も熟してきました。



スタッフが赤くなった実を食べようとしましたが、赤い状態ではまだ食べられません。
真っ黒に熟した実が美味しいのです。
ホンの少し苦味があって、形は小ぶりですが大人の味って感じですね。
でも、最近は美味しいものが溢れているので、皆さんあまり口にしないようです。
昔、島の子供たちは種を集め、ちょっとしたお小遣い稼ぎをしたと聞いた事があります。
ソメイヨシノの母木だったり、葉が桜餅に使われたりするので需要が多かったのでしょうか?

あと黒く熟すと言えば”桑の実”も食べ頃を迎えています。



これはジャムにしても中々グッド! 子供時代を思い出す方も多いですね。

さて、ここからは少し先のお楽しみです。
夏を過ぎると、沢山の”天然フルーツ”が食べ頃を迎えます。

今が花の盛り”ヤマボウシ”



と・・・言ってもこの白く見えているのは花弁(花びら)ではありません。
総苞片と呼ばれるものだそうです。

実際の花は、真ん中にあるイボイボにひとつ々付きます。



やがて夏が終わるとこの部分が赤く熟し、甘くトロ~リとした実ができます。
かなり以前に、一粒だけ試に食べてみた事があります。
今年はしっかり味わってみようと、今から内心楽しみにしています。(笑)

そしてこれは2週間ほど前に撮ったサルナシ(ウラジロマタタビ?)の花



今は花も終わり可愛い実が成っています。



キウイの原種と言われるだけあり、熟した実を割ると中身は本当にキウイそのもの。
少し酸味はありますが、甘くて美味しいですよ。
でも、名前にサルが付くように、お猿さんにとっても大変なご馳走の様です。
私より数百倍フットワークが軽い猿・・・ 間違いなく負けますね。

さてこれはシチトウエビヅル・・・これから花のピークを迎えます。



島では、エビズもしくはエベヅとも呼ばれています。
伊豆諸島の固有種で、黒く熟した実はまさにブドウそのもの。
以前、スタッフがジャムをつくりましたが中々美味しかったです。

最後は、イヌビワ。
ビワと名前は付いていますが、見た目でも判るようにイチジクの仲間です。



雌雄異株で、実の様に見えるモノは花嚢と言われるもの。
以前食べられると聞いて雄の花嚢を割って食べようとし、とても怖い目に遭いました。
しかし、熟した雌の花嚢は甘くトロリとしてとても美味しかったです。

どんな怖い思いをしたのか?
もし、興味のある方は下記のページを覗いてみてください。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/1891/inubiwa/inubiwa1.html

植物達も、実に様々な戦略を練って種を残そうと頑張っているのですが
甘くて美味しいものは、私達人間にも採られてしまいます。
彼らは文句を言いませんが、本来は鳥や小動物に食べてもらいたいのでしょうね。

”自然の恵みに感謝し少しだけ頂く”そんな謙虚さが必要かも知れません。
                自省の念を込めて・・・    By GIBA
コメント
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