シマシマの大地の上に、シマシマの雲が浮かんでいた先日、

シマシマの雲の下に立派にそびえる塩の製造工場に行ってきました。

海に囲まれた大島では古くから塩作りが行われ、幕府に米の代わりに塩を納めていた時代もあったようです。木の枝や流木で海水を炊き、塩を作っていたとのこと。
1971年、法律で日本古来の自然な製塩法が禁止され「イオン交換式」という化学工業的な製塩法で作った99%塩化ナトリウムの塩が、専売で売られるようになりました。
塩の自由な製造販売が禁止されていた時期に「体にいい塩作り」を求めて「日本食用塩研究会」が発足し、伊豆大島で自然海塩を作る活動が続いてきました。
私が大島に来た当初(25年前)南部に潜りに行った帰りに、この“日本食用塩研究所”の施設を訪ねるのが楽しみでした。暑い中、天日干しや釜炊きで汗を流しながら働く人たちの姿が印象的だったし、訪ねて行くといつでも快く見学させてくれました。
1997年に専売が廃止され誰でも塩を売れるようになってから、この研究所は“海の精(株)”という社名で販売を再開、全国の百貨店にも販路を広げるようになったようです。
でも、大きな会社になっても「塩」についての知識を一般に広めよう、という姿勢は以前のまま…。

事前に申し込むと説明のスタッフがついて工場内を見学させてくれる上、塩作りのDVDや資料(塩の製品付き!)まで用意してくれます。先日の高校生ツアーで立ち寄った際に、その対応の仕方に感心しました。
で、自分なりにちゃんとまとめたいと思い、南部工場まで見に行ったのです。
(この工場については、3年半前のブログに成瀬がまとめています。
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/737bf3e7ab2b2521cf623ba442c55685)
「海の精」の工場前の海岸。
溶岩が海に流れこんだ黒。その上に火山灰が降り積もった茶色。さらにその上に生えた植物の緑。火山島らしい風景です。

この海水をくみ上げて、海の前の施設で濃縮します。
プラントの横に立っていると、ひっきりなしに水が滴る音が聞こえて、迫力があります。

中は海水で、霞んでいます。
上から噴霧された海水は、内部に組み立てられたアズマネザサを伝って流れ落ちるうちに、風と太陽の熱で濃縮されます。何回も繰り返して3.5%の塩分を10%まで濃縮するそうです。遮るものがなく、海を渡って来た風がそのまま吹き付ける伊豆大島の環境は、塩作りにはピッタリなのでしょうね。
この工場のそばには、天日に干して塩を作っている工場があります。
毎日かき混ぜ、夏は2週間、冬は4週間で塩ができるとのこと。

「だんだん結晶になって行くのが見えるので楽しいです。」と、スタッフの方。
なるほど…。
こうやって時間をかけて天日干しすると粒があらい塩ができ、「ほししお」という商品名で売られています。

四角い塩の結晶がキレイです!
そして濃縮した海水を煮詰めて塩を作るのが、先日見学した元町の工場。

工場内には大きな釜がいくつかあって、グツグツ煮立てて塩を作っています。
かなりな熱気

夏は大変な作業ですね…。
塩についてあれこれ調べていたら、自分でも作ってみたくなってチャレンジしてみました。500mlのペットボトルに海水を汲んで来て、バケツに入れて放置したら3日間で半分まで蒸発しました。

これを鍋にいれ、白くなったところで一度濾してからさらに煮詰めたら…

あっという間に塩ができました!
できたものがこれです。

油断していて、ほとんどのものが鍋にこびりついてしまったのでこれだけですが(汗)、全体的にはこの3~4倍ぐらいの量があったのではないかと思います。
予想したより簡単に、あっという間に塩ができたのでビックリです!
うまみがあって美味しい塩でした。さっそくそばにあったキューリを塩もみして食べてみました。
いや~、ウマい!
太古の昔、生命は海から生まれ、人間の血液や体液も海水と似た成分でできていると言われています。
私たちが生きるためになくてはならない塩。
若い火山の島で、地面の水はけが良すぎて水田ができず、塩を年貢で納めていた昔の暮らし。
塩が専売になってからも、体に良い塩作りを追求して来た人々。
そんなあれこれに思いを馳せながら、塩をつくってみるツアーも面白いかもしれません。
子ども達の、学習を目的としたツアーに取り入れてみようかなぁ。
(カナ)

シマシマの雲の下に立派にそびえる塩の製造工場に行ってきました。

海に囲まれた大島では古くから塩作りが行われ、幕府に米の代わりに塩を納めていた時代もあったようです。木の枝や流木で海水を炊き、塩を作っていたとのこと。
1971年、法律で日本古来の自然な製塩法が禁止され「イオン交換式」という化学工業的な製塩法で作った99%塩化ナトリウムの塩が、専売で売られるようになりました。
塩の自由な製造販売が禁止されていた時期に「体にいい塩作り」を求めて「日本食用塩研究会」が発足し、伊豆大島で自然海塩を作る活動が続いてきました。
私が大島に来た当初(25年前)南部に潜りに行った帰りに、この“日本食用塩研究所”の施設を訪ねるのが楽しみでした。暑い中、天日干しや釜炊きで汗を流しながら働く人たちの姿が印象的だったし、訪ねて行くといつでも快く見学させてくれました。
1997年に専売が廃止され誰でも塩を売れるようになってから、この研究所は“海の精(株)”という社名で販売を再開、全国の百貨店にも販路を広げるようになったようです。
でも、大きな会社になっても「塩」についての知識を一般に広めよう、という姿勢は以前のまま…。

事前に申し込むと説明のスタッフがついて工場内を見学させてくれる上、塩作りのDVDや資料(塩の製品付き!)まで用意してくれます。先日の高校生ツアーで立ち寄った際に、その対応の仕方に感心しました。
で、自分なりにちゃんとまとめたいと思い、南部工場まで見に行ったのです。
(この工場については、3年半前のブログに成瀬がまとめています。
http://blog.goo.ne.jp/gscrikuguide6/e/737bf3e7ab2b2521cf623ba442c55685)
「海の精」の工場前の海岸。
溶岩が海に流れこんだ黒。その上に火山灰が降り積もった茶色。さらにその上に生えた植物の緑。火山島らしい風景です。

この海水をくみ上げて、海の前の施設で濃縮します。
プラントの横に立っていると、ひっきりなしに水が滴る音が聞こえて、迫力があります。

中は海水で、霞んでいます。
上から噴霧された海水は、内部に組み立てられたアズマネザサを伝って流れ落ちるうちに、風と太陽の熱で濃縮されます。何回も繰り返して3.5%の塩分を10%まで濃縮するそうです。遮るものがなく、海を渡って来た風がそのまま吹き付ける伊豆大島の環境は、塩作りにはピッタリなのでしょうね。
この工場のそばには、天日に干して塩を作っている工場があります。
毎日かき混ぜ、夏は2週間、冬は4週間で塩ができるとのこと。

「だんだん結晶になって行くのが見えるので楽しいです。」と、スタッフの方。
なるほど…。
こうやって時間をかけて天日干しすると粒があらい塩ができ、「ほししお」という商品名で売られています。

四角い塩の結晶がキレイです!
そして濃縮した海水を煮詰めて塩を作るのが、先日見学した元町の工場。

工場内には大きな釜がいくつかあって、グツグツ煮立てて塩を作っています。
かなりな熱気

夏は大変な作業ですね…。
塩についてあれこれ調べていたら、自分でも作ってみたくなってチャレンジしてみました。500mlのペットボトルに海水を汲んで来て、バケツに入れて放置したら3日間で半分まで蒸発しました。

これを鍋にいれ、白くなったところで一度濾してからさらに煮詰めたら…

あっという間に塩ができました!
できたものがこれです。

油断していて、ほとんどのものが鍋にこびりついてしまったのでこれだけですが(汗)、全体的にはこの3~4倍ぐらいの量があったのではないかと思います。
予想したより簡単に、あっという間に塩ができたのでビックリです!
うまみがあって美味しい塩でした。さっそくそばにあったキューリを塩もみして食べてみました。
いや~、ウマい!
太古の昔、生命は海から生まれ、人間の血液や体液も海水と似た成分でできていると言われています。
私たちが生きるためになくてはならない塩。
若い火山の島で、地面の水はけが良すぎて水田ができず、塩を年貢で納めていた昔の暮らし。
塩が専売になってからも、体に良い塩作りを追求して来た人々。
そんなあれこれに思いを馳せながら、塩をつくってみるツアーも面白いかもしれません。
子ども達の、学習を目的としたツアーに取り入れてみようかなぁ。
(カナ)