グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

椿力!

2014年01月28日 | ツアー
今日は、デザイナーや建築家向けのWebマガジン“コラージ”の、取材陣を案内しました。

取材は、船が到着した岡田港から始まりました。

「人が暮らす町並みを見たい」という希望と、南西からの強風とで、まず岡田港から歩くことにしたのです。

数10万年前の活動を終えた古い火山が、波に削られてできた高い崖のおかげで、天然の良港となった岡田港。

昔から“風待ちの港”として使われ、遠方の漁師との交流があったこと等を語りながら、この景色の中を歩いていたら「全て大地とつながっているんですね。だからジオパークなんだ!ジオパークって、そういうことだったんですね~。」という意味合いの発言。

船を降りて港の景色を見ただけで、お客様が「ジオパーク」を理解してくれたのは初めてです!(ツアー開始からいきなり嬉しくなりました)

そして今日も、お2人からいっぱい「驚き!」をもらいました。
例えば…

「この鳥居、なんでこんなに低いんですか?」(身長170cmとのこと)
「え?」

ううむ…鳥居が低い理由って何でしょう??
(考えたこと、なかった…)

で…

“地元の人に質問して一緒に考えてもらっている”の図です。

「この家、何でこんなに低い場所に建っているんですか?」
「え?」

「平屋の家と同じ高さですよ」
「ホントだ~!」(今まで気にしたことありませんでした。)

「風対策かなあ」
(私が答えられないので、自力解決されていました。)

「あ!!海が見える!スゴイ!!」

「こういう細い通路の向こうに海が見える場所って、なかなか無いですよ」(なるほど~。言われてみれば、そうかもしれません)

「あ!光!今がチャンスよ!」
「?」と思って同じ角度でカメラをのぞいて見たら…

椿の花が、スポットライトのような光に照らされていました。
(この一瞬を逃さない感性ってスゴイです!感心~。)

お2人は“人との会話”も、大好きなようでした。
椿祭り会場では熱心に、昔の写真の説明を聞き…


大島牛乳の歴史を聞き取りながら牛乳を飲み…


“災害から蘇ったパンジーの苗”を、買ってくれました。

これは“¥1000で苗を買い、プランターに植えてメッセージを書き、仮設住宅にプレゼントする”という試みのようです。(素晴らしい~!!)

で、書いてくれたコメントは…

「椿力!」
素敵な言葉ですね。

さて、今日はあらかじめリクエストのあった場所を回りました。椿資料館、縄文人の住居跡(岩陰遺跡)、郷土資料館、薬師堂、町営牧場。

薬師堂では、巨木の姿に全員で見とれ…


空を覆う巨木の枝葉のデザインに感心しながら、しばらく頭上を見上げました。


あちこち訪ねた中で、物語がつながるのも面白かったです。例えば岡田港の民家の庭で、昔の若者の力比べに使われたという“力石”を見た後に…


海が“力石”を作っている現場を見に行ったり…

(お客様からは「子どもがいっぱい!」という声があがっていました)

椿祭りで「大島牛乳物語」を聞いた後に…

牧場で牛乳のもとを見て、牛乳で作ったアイスを食べたり…。

ところで、お2人の今回の大島訪問の目的は、取材と同時に読者の方から集まった「義援金」を届けてくれることでもあったようです。

町役場・福祉健康課に直接手渡してくれました。

大島を応援しようとしてくれる、お気持ちが嬉しいです。

お2人が発行しているWEBマガジンはこちら。(3年半前の大島の記事です)http://collaj.jp/data/magazine/2010-09/index.html
今日のツアーの穏やかな楽しさが、そのまま伝わってくるようなページです。

明日は、お2人と山を歩く予定です。
楽しみです~。

(カナ)

追加です。
先日の伊豆大島の台風災害緊急調査(4学会合同調査)の発表がPDFで公開されました。
ご覧になりたい方は、以下のページをお訪ねください。
http://committees.jsce.or.jp/report/node/68


コメント (2)
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