グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ジオガイドセミナー第3回

2013年06月21日 | 火山・ジオパーク
本日は2回目の投稿になります。
第二部は昨日行われた、ジオガイドセミナー第3回のご報告と、本日、伊豆半島ジオパークの鈴木氏と周った様子をお伝えします。

6月20日(木)19:00~開発総合センター3F第3会議室で、ジオガイドセミナー第3回が開催されました。
講師は、日本ジオパーク委員会委員の中川和之氏をお迎えしました。
参加者は30名。
この3日間で最多です。

テーマは「ジオパーク、それは(持続可能な)地域の誇り、骨太な観光、防災」でした。

たくさんの写真と映像、最新のジオパークの審査基準などを盛り込んだ、非常に内容の濃いセミナーでした。
あまりの情報量に圧倒されて、セミナーの様子の写真を撮りそびれてしまうほどでした。


様々な話の後、最後に出た、中川氏からの問いかけ。

「伊豆大島で、誰に何を伝えたいか」

たくさんの意見が出ました。
その中でも一番多かったのが、「島の子供たちに、大島の素晴らしさ、面白さを伝えたい」ということでした。
未来を担う子供たち。
自分の生まれ故郷を、どこに行っても「誇り」に思えるように。
その一つのきっかけとして「ジオ」が役に立つといいなあ、としみじみ感じたひと時でした。
一人ひとりの思い、どんどん実現できると、骨太な地域になる気がします。
私も実現に向けて、カメのような歩みですが頑張ります!


そして急きょ中川氏のセミナーを聞くために島に残った、伊豆半島ジオパークの鈴木氏。
元町の中を歩いて井戸を見に行く、というので、私もお供させていただきました。

まず訪れたのが吉谷神社。
ジオパークデータミュージアムの解説によりますと、祭神は大山祇命、三原大明神をお祭りしていると。三原山の噴火に対する畏怖の念からこの神社を建立した、という。まさにジオ!!

さて、この灯篭。どうも上の傘(?)の部分と、灯を燈す真ん中の正方形の部分と、その下では石の材質が違うような感じがします。正方形の部分を見て鈴木氏いわく、「伊豆大島では見られない凝灰岩ですね」と。おお~!ということは違うところから持ってきた石材で造った灯篭ですか!!こんなふうに境内の「石」に着目して見てみると、なかなか面白いです。


狛犬×マメヅタ。かっこいい!!


ご神木のイチョウの木と、伊豆大島でよく見られる水がめと、鈴木氏。
吉谷神社は昭和40年の元町の大火で社殿が焼失したとありましたが、それにしては太いイチョウの木。氏が撮っている先には金比羅様をお祭りしているような小さな社がありましたが、この石段とか、灯篭とか、それに周囲の石積みは古いような感じがしました。吉谷神社、不定期の正月のお祭り、ぜひ見てみたいですし、歴史ももっと知りたいなあ、と思いました。
ところでこの水がめ、どこで見ても同じような形なのですが、島で大量生産されたのでしょうか?それとも、島外で作ったものでしょうか?それにしては全部似たような色・形をしています。というのが鈴木氏の疑問。今度調べなきゃ!!


元町の中、特に大火の影響を受けなかった地区と思われる一部を散策して、次のポイントへ。
源為朝が刀の研ぎ場がある、という情報を前回得ていまして。
そこを目指しましたが、藪がこげないほど密生していまして。
あきらめて下の海岸へ。

前回も載せましたが、そのときは溶岩トンネルって本当かしら?なんて思っていたのですが、火山が専門の鈴木氏。「うん、きれいな溶岩トンネルだね」と。
すごい!即決!!
溶岩トンネルは溶岩の噴出率(量ではなく、率、とのこと)が高くないとできないそうな。遠方まで流れるような勢いがあって、さらに傾斜も必要。と、いうことは。これが流れた時代は下高洞遺跡の層の年代が約8000年前といわれていますので、それよりももっと古い溶岩流。そこにできた溶岩トンネル。さらにこの右奥は・・・


崩れていて少々見えづらいですが厚い溶岩流。
推測するに。
傾斜のある谷間に流れた溶岩流ではないかと!!
厚い部分は谷埋め。流れ下った部分は谷の傾斜のある側面のような部分で、ぷくーっと、内部のガスで膨らんで、後続の溶岩流が中をスルスル抜けていったとか。
見て、観て、考える。
楽しいなあ。
昨日講演してくださった中川氏がおっしゃっていました。
「僕は嶋田さんの、何があったんでしょうね?と問いかけるのがいいと思う。それによってイメージや広がりがもてることが大事。わからない、ではなく、分からないことをイメージングしてみることが面白い」
わたしはついつい、何があったのか、を勝手に考えるようになっていますが、それって、もしかしたらきっかけがないと考えもしない、ということかも、と気づかされました。


考えるのが大好きな私。
岡田にある八幡神社の参道には、丸い石の石積みがあります。
なんで丸い石?
前回愛宕山に登ったとき、道の一部にきれいな丸石が、あたかも「敷き詰められている」ような場所がありました。
吉谷神社でも、丸石の石積みがありました。
神様に関わるところは、もしや丸石では?
神社丸石探索をせねば。


八幡神社の左手奥と、社殿の後ろには溶岩の露頭が見えます。
いつの時代のものだろうなあ。
「てこ舞」と関係しているのかなあ。
そもそも、なんでこの場所に建てたのかなあ。
興味は尽きません。

普段はなかなかできない町歩き。
町の中にもジオがいっぱい!
貴重なお時間をお供させていただき、ありがとうございました!!(ユカ)
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初めてでした

2013年06月21日 | ツアー
ジオガイドセミナーが今週3回あり、あっちへふらふら、こっちへふらふらと、ばたばた、どたどたしていたユカです。
こんにちは。
今回は3回目のセミナーのご報告と、今日、伊豆半島ジオパークの鈴木氏と歩いてきた「ジオの視点で町探検!」(勝手に命名)と、16日の日曜日のツアーの様子をお伝えしようと思います。
長くなるので、2部構成でいこうと思います。

まずは16日の半日ツアーから。
この日は朝から霧が濃く、雨脚も激しく。
それでも、楽しくお二人のゲストの方に山ツアーに参加していただきました。


お二人ともカッパを準備されていて、どんな荒天もばっちり!というスタイル!!
長靴をはいて、いざ出発!
「今日はどんなコースを・・・?」
と相談したところ、男性の方から、思いもかけない返答が!!
とにかく!!今日はこんな天気だけど!!裏砂漠に!!行くしかないっっっ!!!大丈夫、フル装備だし。うん。


温泉ホテルから山に続く道には、いくつもの大きな水たまりが。
長靴を履いていれば、怖いものなしです!!ジャブジャブ、ジャバジャバ!!
自然がお好きなお二人。
いろんなものを見つけてくださいました。
なぜか道端に生えるキノコ。
こんなところに?!
スコリアにキノコ。
なんだかおかしな組み合わせ。
この時期ならではの光景です。


裏砂漠に着きました。
なんにも見えません。
唯一の目印は、裏砂漠の際にある、火山観測機器。
「私は奥にちょっと調査に行ってきますので、10~15分くらいで戻ります。絶対にここから動かないでくださいね!」
と言い残して、霧の中の裏砂漠の奥に私は向かいました。
うまくいってるかなあ・・・。
なにも裏砂漠でなくてよかったかなあ・・・。
樹海のほうが安全で雰囲気もあってよかったかなあ・・・。
でも、霧の中の裏砂漠なんて、絶対これないし!!うんうん、やっぱりここがいい。

とかなんとか考えながら、目的地到着。ちゃんと調査しました。キャニオンに入るずっと手前に、裏砂漠のスコリアより粒が大きいスコリアの堤防のようなものがあります。以前、西谷と柳場の3人できたとき、これは大雨の日に、沢になって流れたに違いない!!と仮定していたのですが・・・。けっこうな雨が降っているはずなんだけどなあ・・・。水たまりすらない・・・。

で、帰ろうとしたら、やばい!!!
歩けば歩くほど、どっちに向かって歩いているのかわかりません。
はっ!!と思って取り出したのがコンパス。
ほぼ北方向が温泉ホテルです。これも以前調査済み。
なんと北西方向に向かって歩いていました。
自分の進路を直して歩くこと3分。
1986溶岩流の壁にぶちあたりました。
これでさらに北に進路をとり・・・。
看板発見!!
予定より5分遅れでお二人の元に到着。
「すみません~!!プチ遭難してました!!」
はたして、うまくいったのか、いっていないのか・・・。
でも!!でも!!!
女性のにこやかさが、あたたかみが増している気がする!!


そうなんです。
「プロポーズをしようと思うのですが・・・」
と、言われていたのです。
初めてコーディネート?(そんなたいしたものではないですが)しちゃいました。
伊豆大島で、裏砂漠で、しかも霧の中、雨の中、傘もささず、プロポーズ。
地球の奥深くからやってきたマグマが、地上に初めて噴出して、大地を作って。
何かが生まれる、そんなホットな場所で、見事に結実しました!!!!!

そのあと、お二人を連れて戻る、たった10mの道も、わたしの「西方向に歩いて行ってしまう」癖で、さらに遠回りをし・・・。
本当にすみませんでした。
ただ、お二人にとっても、私にとっても、非常に思い出深い時間となりました。
おめでとうございます!!末永く、お幸せに!!!

こんなこともあるもんだ~。
私も幸せで、ホクホク気分。
水たまりもなんのその。
雨も霧も、地球の恵み。
噴火するのも、地球の営み。
普段は絶対、味わえない、アドベンチャーな雰囲気。
お二人の仲のよさが、すべてを楽しく彩ってくれました。
貴重な機会をありがとうございました!!

みなさんも、ぜひ!!
ホットな火山で、愛を伝えよう!!

二部へ続く!!(ユカ)
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ジオガイドセミナー第2回

2013年06月20日 | 火山・ジオパーク
6月19日に行われたジオガイドセミナーの報告です。

講師は伊豆半島ジオパーク事務局で、火山学を専攻している鈴木氏。
講演テーマは「身近な伊豆半島のジオストーリー学ぶ」

今回も30名近い参加者でした。

前半はスライドでの講演。
内容は…

伊豆半島が伊豆大島と同じフィリピン海プレートに乗って移動していること。
その関係で西伊豆は沈み、東伊豆は隆起していることや…


大島以外も広い範囲がプレートの動きによって“押される力”がかかっていること。

西暦838年の神津島噴火で飛んで来た白い火山灰が伊豆半島にも積っていることや、神社同士もつながりがあること。

伊豆半島でのジオガイドの育成の現状(ガイド検定や準ジオガイド制度)。

現在行われているジオを活かした商品開発(スコリアを積み上げたピザ釜やジオ菓子、大人気の限定15食のジオ丼など。)

以前からあった神社を調べてみたら過去の津波記録が残されていて、ジオパークで防災についても掘り起こしができたこと。


そして地質のみではなく、地面の上にある全てのものがジオパークであること。

等々。
たくさんの取り組み事例やジオ物語から導きだされた結論は説得力がありました。

そして後半は、なんとキッチン火山実験です!
鈴木氏はこの実験のために、実験材料も一部持参して準備をしてくれました。

まずはメントスとコーラで噴火を再現する実験です。

メントスを入れると3mぐらいの高さまで噴き出すコーラに「おお~!」という歓声があがります。

コーラの泡が噴火の時の地下の状態を表しています。

「何を表現しているか」の解説を聞きながら見ると、火山のことが具体的にイメージできます。

お酢と重層でも噴火を再現。

時間がないので省略となりましたが、本当は上に粘土で三原山や自分の家(!)を作るとよりわかりやすいとか。

水槽での実験映像も見せてもらいました。
火山灰のように軽い細かいものは、高くまで上がるけれど…


噴き出す物がもっと重いと、あまり高く上がらずに山肌を駆け下りる…火砕流の再現です。

(すごくわかりやすかったです!)

そして、この日のメインイベント。

鈴木氏が制作に携わったという“伊豆大島の細かい沢まで正確に再現した模型”に、シャンプーを流していきます。

これ、大島の溶岩の粘土に一番近い物を探すため、100通り以上の組み合わせを試し“リンスインのメリットシャンプー”という結論に達したそうです!

皆さん元町や波浮の上など、自分と関係のある場所からシャンプーを流して真剣に実験していました。

「こんな実験ができるのは大島だけです」と鈴木氏。

そうですよね。この精巧な模型と,粘性が同じ物を探すために100通りもの方法を試す時間をかけなければ、この実験はできないのですものね。

この実験は、実際の噴火の際に速やかに正確に溶岩流の進行方向を予測し、避難防災に役立てるために考案されたのだそうです。(大島って私たちの知らない宝物がいっぱいあるのですね)

大迫力の火山実験に、みんなワクワクしながら火山を学んだセミナーでした。

ところで2時間の火山実験の前に、講師の鈴木氏と筆島を歩きました。

ここでも色々なことを教えてもらいましたが、特に印象に残ったのは「岩脈の見分け方」です。

地下のマグマだまりから地面を押し開きながら上がって来たマグマが、冷え固まってできる“岩脈(写真中央の白っぽい太い筋)”

その両端には何本かの黒い筋が入っています。

これはマグマが周辺の地層で急冷されてできるものなのだそうです。

最初は細かったマグマがだんだん太くなり、線を足していくとのこと。

「あ!マグマがだんだん太く成長していくのがわかる!」

「ホントだ~!!」

やっぱり「知る」って楽しいです。

ところで、この日は強風で砂が体に当たって痛いぐらいで,海岸には砂丘ができていました。

いつも平らな場所が丘になっていたのでビックリしました。

普段海から突き出している筆島も…

砂漠の上にあるように見えました。
海岸の景色は変わりますね。

と、いうことで、忙しいけれど楽しい日々です。

セミナーはあと3回残っていて当日参加も受け付けていますので、タイミングのあう方はぜひご参加ください。

(カナ)




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なんだか美味しそう!

2013年06月19日 | 
えぇーーーっと。
ドウデスカ?
この絶妙な色具合、練り切りで作った上生菓子みたいじゃないですか?
見つけるたびに「・・・美味しそうだな・・・」と密かに考えてしまうのです。
(さすがに食べる勇気はない・・・)
ハバチの仲間ハグロハバチの幼虫です。
昨日プラプラ歩いていて発見しました。


休んでいるときはこんなふうにくるりん!と丸まっていて実にかわいらしいです。


食べているのはギシギシ。
これを見て「どんな虫が食べているんだろう?」と葉っぱを裏返したらいました。
写真の他にもう1匹。
2匹でこんなに?と思いましたがもっといた仲間は地面に潜ってサナギになっているのかもしれません。


今朝はこの春生まれのホオジロに出会いました。

しきりに鳴いていましたが親も兄弟も見当たりませんでした。
もう一人立ちでしょうか?
がんばれ!

                              がんま
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ジオパークガイドセミナー第1回の様子とその前後

2013年06月18日 | 火山・ジオパーク
待ちに待った、ジオパークガイドセミナー(全6回)の第1回目が、昨日(17日)開催されました。このセミナーは、観光庁による観光地の再生事業の一環として、三原山に観光馬車を運行するというプロジェクトの一部として行われています。全6回が予定されており、第1回目の講師として、四国は室戸ジオパーク(世界ジオパーク)から事務局の柴田伊廣先生が来島されました。
各講師陣、皆さん、伊豆大島にせっかくきたので歩きたい!!というご要望に満ち溢れていて、歩き尽くめの日々がこの先続きそうです。こちらもまたとないチャンスなので、くっついて歩き倒します!!

柴田先生は16日の夕方に着き、早速近くのジオサイトへ向かいました。
フットワークが軽い!
向かったのは野田浜。


野田浜の右手に露出している、岡田火山と思われる露頭について、いろいろ質問をされ、西谷や私が答えます。
でもなんとなくみんな納得しない様子。
「これはどうやってできたの?年代は??」
「溶岩流?岩脈??」
「結晶の入り方が違う?周囲との関係は?」
などなど。しまった!!今まで考えることを忘れて、すっかり周りの景色に魅了されていました。よく見ると、観察して面白いものがいっぱいではないですか?!


この岩脈と思われる中に、大きく成長した結晶の断面が見えました。
「これだけ結晶が成長する理由は?」
「このジオサイトで何をみせたい?何を語りたい?」
などなど。即座に答える西谷と、答えられない私。私も私なりに答えられるよう、あいている時間を見つけて、ジオサイト巡りをじっくりしよう。そして考え、感じて、伝えたいことを地球に問いかけてみよう。この2ヶ月三原山メインで歩いていましたが、そういえば海岸も面白かった!!と気がつきました。これから夏だし!!うむ。


次は赤禿。
「なんで赤い?」
「高温だと赤くなるの?」
「赤と黒の違いは??」
教科書や、人に聞いたこと丸覚えでそれを伝えるだけじゃあ、ダメなんです。
一度自分できちんと「咀嚼」しないと。
はい、頑張ります。


ちなみに、赤禿のボロボロ崩れる露頭で、発見!!赤の中に黒がある!!そしてこの引き伸ばされよう!!!
地層の観察の基本は「全体を見て、徐々に中を見ていく」でした。
おお、すっかり忘れていた。
そして観察に夢中になって気がつけば日暮れ時。やっぱり観察は楽しい!!

17日。セミナー当日も、朝から時間の許す限り歩きました。
まずは千波崎。
ここは上に立ち枯れしている樹木があるのですが、それも質問がきました。
みんなそれぞれの意見を言いますが、なんとなく全員納得できない様子。今度実際に近づいて見ればわかるかな。


足元の溶岩。
「これは流れた?年代は??」
「枕状溶岩の可能性は??」
うーん、うーん、みんなあーでもない、こーでもない、頭がフル回転!!


これが今回最大の謎。


どうも1枚のシルト質の層に上から別の地層が下に入り込んでいます。
なんじゃこりゃ~!!!!
「どうやってできた??」
全員いろんな案を考えました。下から吹いた説、上から溶けた説、植物説、などなど。答えは迷宮入りです。そもそもこの地層が堆積した当時、この環境はどんなだったと考えられるか?など。考えれば考えるほど奥深く、キリが無い!でもそれが面白いんです。分からないことを、とことんあらゆる可能性を考える。いくつもアイデアがでる。答えがわかっていることを考えることは簡単ですが、答えがまだないことをみんなで考えることも、難しいですが、楽しいです!!


ある層には、伊豆大島の地球史上、噴出したことがないはずの「軽石」も含まれていました。
私は全然気づかなかったのですが、いろんな人と行くと、みんなそれぞれの視点で何かを発見しています!!ゲストの方と歩くときもそうですが、こうして勉強会で歩くときも、新しい視点が得られて、とても新鮮です!!


午後は一転、山へ。
フレッシュ火山を堪能してきました。

そして夜は、本題のセミナー。
本日のテーマは「伊豆大島ジオパークなァ~しょうか?」(ガイド先進地の室戸ジオパークから学ぶ)です。
くじ引きによって分かれた6班でグループディスカッション形式で進められていきます。
これをワークショップというなり。

以下内容
講師自己紹介;ジオパークに関わった経緯、葛藤、現在
1、自己紹介カードをもとにした各班毎の自己紹介(各班毎、1人30秒、進行係、書記、発表者の選択)
2、STEP1、「伊豆大島ジオパーク、うまくいっていること、うまくいっていないこと、心配事や疑問」
3、STEP2、「グループ毎に話し合ったことを報告」1班1分
4、STEP3、「柴田の情報提供」
 スライドテーマ「室戸ジオパークが魅せたジオ活」20~25分
 ・ジオパークとは?
 ・ストーリーづくりの魅力
 ・おもしろガイドの魅力
 ・地域住民と会議の魅力
 ・若者参加の魅力
5、STEP4、「みんなでしたいこと作戦会議」(10分程度グループディスカッション)
6、STEP5、「グループ毎に発表、共有」


というわけで、「伊豆大島のジオパークの現状と今後の課題」についてとことん話し合いました。
最も多かった意見は「ジオパークに関しての住民の認知度」でした。


室戸のガイドさんが使う、「付加体」を説明する方法。
「僕が四国です、伸ばしている腕が四国の下に沈みこむプレートとします。この服は地層です。さて、この腕が僕の下に沈み込んでいきます・・・(腕を柴田先生の腕の下にいれると)ここにできた服のしわ、これが付加体です」
なんてわかりやすい!!!
身近なもので表現するって、言葉や絵で説明するよりも、体感できていいですね!


そしてこれが、今回の参加者26名全員で考えた、「みんなでやりたいこと」。
これを全部できたら、すごいジオパークになるに違いない!まずは一歩踏み出すことから。
柴田先生が室戸ジオパークでとても感じたこと。
それは、「住民がやる気になるか」でした。
「ジオパーク」というのは、ひとつのツールで、きっとみんな根本は同じ。「私のところが一番!!」それをどうやって、外にアピールするか、その一つの道具が「ジオパーク」なのかな、と私なりに考えました。地球の上に住んでいる限り、地球の活動に人の歴史や生活が左右されている。それをどうやってつなげて、ストーリーにして、あるものは保全したり、あるものは共有したり、みんなで楽しめるか。

まずは自分の好きな大島の瞬間、からジオにつなげてみませんか?


本当は明日帰られる予定でしたが、明日から海上が荒れそうなので、残念ながら滞在が1日短くなりました。
岩石学が専門の柴田先生。植物は苦手そうでしたが、面白い発見がありました。
わかりますか?
オオバヤシャブシの葉っぱが右についていたか、右についていたかが、わかる!!ということなんです!!
全然気がつかなかった!!毎日見ているのになあ。


毎日見ているから気がつかない世界。そこにはきっと、外から見ると発見や宝物がいっぱいなんでしょうね。
地球を海から山まで体感できる伊豆大島。歴史も、文化もいっぱい伊豆大島。おいしいものも、あたたかい人もいっぱい伊豆大島。いいなあ、伊豆大島!!
熱く語りすぎて、長くなりました。
柴田先生、またお待ちしています!ありがとうございました!!
次回は19日(水)、19時から、同じく開発総合センター3F会議室にて。伊豆半島から鈴木雄介先生が来島されます。テーマは「身近な伊豆半島のジオストーリーを学ぶ」の予定です。荒天にも負けないぞ~!!(ユカ)

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ハブです

2013年06月17日 | 植物
この時期になるとかわいい花が咲きます。

白くて少しピンク掛かって 私はいつも“可憐な乙女”って思ってしまう花です


街路樹の下にも(白く見えるのがその花です)

残念ながら一日花なので明日には萎んでしまうのですが、毎日のように見えているのは株の数が多いせいでしょうか?
名前はハブランサス 南部の波浮の名前を冠しています。しかし、この子どうやら今流行りの外来種?!
球根で増えて種で増えて

花の隣にまだ成熟はしていないのですが種の苞が有ります。この中に沢山の種が有ります。
種は薄い羽根状の中に有り風に乗って少しでも遠くに飛んで行こうとするようです
これからもどんどん増えそうですよ


ではこれから人が増えそうにない波浮港の家近場に散歩へ行こう

ここの小道は絵になるでしょ?(ん!写真だけれどね)

波浮の港が一番華やかだったころの名残でこれは蔵



甚の丸邸に有る蔵は横からです。蔵の中が空いていましたが、あまり面白そうなものが有りませんでした。見たい人は覗きに来て!


甚の丸 華やかなりし頃どんな人が出入りしていたのでしょうか? 


今、のどかに猫2匹                 (しま)
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大島 植物セミナー

2013年06月16日 | 植物
昨日の夜から今日の午前中にかけて、大島自然愛好会主催の表題のセミナーに参加しました。

昨晩の講演内容は以下のとおりです。
「伊豆大島の植生史を作る活動(筑波大 上條氏)」
「伊豆諸島の植物たち(東京農工大 星野氏)」
「新島の植生と新島自然愛好会の活動(都立墨田高校 八木氏)」
「七島花の会の活動・神津島での取り組み(七島花の会 石橋氏)」

会場は30名以上の参加者(たぶん)で、大盛況でした。

神津島では以前は盗掘が多かったが、今は「希少な植物は島全体の財産だから大事にしよう」という傾向になっってきている、という話が印象的でした。

そして今日は、観察会。

“砂の浜”駐車場に集合ということで「海岸の観察をするのかな?」と思っていたら、スタートと同時に皆さん藪に向かって歩いて行きます。

「?」
程よく歩いた所で,本格的に藪の中に分け入り調査が始まりました。

調査をする時は、周りが均質であることが大事なのだそうです。
あまり凸凹のない場所を選び、中心から外側に向かって見られる植物を挙げていきます。

植物の高さ別に3つのグループにわけて順番に確認していきます。
「亜高木層・ヒメユズリハ」「亜高木層・エノキ」「低木層・ヤブニッケイ」etc…。

足もとの小さな芽生えまで識別するので、植物の種類がどんどん増えていきます。

そのスピードの早さに、ボーゼンとしました。

植物の名前のあとは、その植物の被度(植物が地表を覆っている面積の割合)や群度(どのような状態で群落をつくっているか、あるいは単独で存在するかなどを)を、1~5までの数字や記号で記録していきます。

クリノメーターという傾斜計で、地面の角度も測りました。

植生調査って、こうやってされていたのですね。(初めて知りました~)

薮の次は海岸へ。

こんどは海岸縁に広がる林の調査です。

「調査はどんな薮でも必ず真ん中に入り、中心から外に向かって行う」という鉄則のもとに、葉っぱの先がツンツン尖ったクロマツの林の中へ…。

いくら調査とはいえ…痛そうです!

「ツルウメモドキ」「イソギク」「ヤブツバキ」etc…。
林の中から声が響きますが、講師の方の姿は見えません。(完全にすっぽり隠れています)

外から見るとクロマツしか生えていないように見えるこの風景の中に、実は様々な植物が生きていたのですね。(これまたビックリです。)

最後に砂浜。
「ここはすぐ終わるね」

「ハマゴウ」「ネコノシタ」以上!←本当にすぐ終わりました・笑。

北部では姿を見かけないザラザラの葉をもつ「ネコノシタ」が、黒い砂浜を這っていました。

なかなか素敵なデザインでした~。

ところで、調査結果は以下のような表にまとめられるようです。

植物の名前と,グループと、植物の出現状況を示す数字が並んだ表。

今日調査に同行していて、知識を持った人はこの無味乾燥な数字の羅列に見える表から、森の景色を思い描くことができるのだと気がつきました。

数字を見るだけで、濃い緑の巨木の茂る森や、新緑が美しい明るい森や、波の砕ける岩場や、潮風の吹き抜ける砂浜などの風景が思い描けたら…楽しいでしょうね。

火山について学ぶことで、目の前の風景から壮大なドラマが見えるのと同じように、知識があれば数字の表からも、様々な景色を見ることができるのですね。

「知るって、すごい!」
そのことを、あらためて感じた観察会でした。

(カナ)







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今日の大島公園で

2013年06月15日 | 哺乳類、爬虫類、他
今日は久し振りに都立大島公園に行ってきて、マタコミツオビアルマジロのかわいさにびっくりしました。
以前は小さなケージに入っていてただただ丸まっている姿しか見ることができなかったのです。




オスメス(たぶん)の2匹がいます。





独特の姿ですよね。
とても哺乳類とは思えません。







2匹でしきりに走り回っている様子がとってもかわいいんです(オスがメスを追いかけている?)
ゼンマイ仕掛けのおもちゃみたいです。
前足がほとんど2本の爪だけで立っているようで、その足運びがちょみちょみしてて激萌えです。



追いかけっこの末に時々こうして倒れ込んでいました。
なにか意味があるのでしょうか?

マタコミツオビアルマジロ、説明文にもあるように土の中に潜る習性があって私が始め見に行ったときは姿が見えませんでした。
ラクダを見た帰りにまた見に行ったら地上に出てきていたのです。


そのラクダ。

今日、大島に到着しました。
以前からいるメスのお婿さんにとはるばるアメリカからやってきたそうです。
・・・言葉が通じるのかな~(笑)


マタコミツオビアルマジロがいる温室の中にはナマケモノもいます。
つい最近新たに仲間入りしました。



それと管理事務所には、

アカネズミの堆積物(笑)
ちゃんと生きてますよ~。

アオダイショウも。

この無表情がたまりません。

                              がんま
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なぜか和む花

2013年06月14日 | 植物
連日雨の今日この頃。
晴れていないとできない仕事を放り投げ、お昼を利用して、姪っ子の好きな「りすまんじゅう」を買いにリス村へ。
お菓子を買って、満足満足・・・と帰ろうとしたら、幸運なことに園長さんを発見。
話をしていると、「アジサイがきれいだよ!」ということで、急きょリス村のアジサイ見学に予定変更!!


入ってすぐのインフォメーションセンターには、アジサイの特設コーナーができていました。

「ガクアジサイは日本の固有種。その最大の群生地が伊豆諸島なんですよ」
島が最大の群生地、というのはなんだか意外でした。
どうやって増えるのかしら。
でも確かに今の時期、車で道を走っていても、あちこちでアジサイを見かけます。
それに、他の花と違って、色とりどり、形も大小様々で、車窓からも楽しめます。
園長さんは、大島の変わりガクアジサイを収集すると同時に、各島のガクアジサイも収集して育てています。
庭園で魅せながら、植物学的研究も怠らない、あくなき情熱に感服です。
ではいざ!!


この看板、以前きたときにはなかった・・・。
さすが!!一手間を惜しまない、この心遣い・・・。見習います!!


1周700m。そんなに?!アジサイだけで??わくわく、どきどき・・・。


わお~!!いいですね、いいですね~!!
なにがいいかって・・・、アジサイの種類と量が半端じゃなく多いのです。
カメラを持っていかなかったので、携帯で撮っていましたが、アジサイだけで187枚も写真に撮ってました。びっくり。


あいにくの雨模様で、この辺りは霧も発生していましたが、逆にすごくいい雰囲気です。
しっとり、しっぽり、ひたすらに、アジサイ。


「ジューンブライド」。6月が結婚記念日の方、ぜひ見に行ってください。
羨ましいくらい、キレイです。いいなあ、いいなあ!!


私が今日好きになった「アナベル」。
なぜかというと、さわり心地がモフモフしていて気持ちがいいから。って触って大丈夫でした・・・?


大島で見つけられた、「三原八重」。
なんともユニークな形。それにこの色合いがなんともいえません。
紫や青っぽい色の花を見ると、なんとなく心が落ち着くのは私だけでしょうか。


「大島斑入りガク(仮名)」。葉っぱに霜降りが入っています。「仮称」なので、正確な名前はついていないようです。アジサイは日本から発して、西洋で品種改良がすすみ、いろんな美しいアジサイを楽しめるようになったそうです。でもこうして自然界で、形をゆっくり変えて、人知れずひっそり咲いているアジサイも多いようです。奥が深い・・・!!


「大島白ガク(仮名)」。おしとやかな、まるで白むくのような花の姿です。ああ、心が和む・・・。


「大島変わりガク(仮名)」。この辺りで、もう私の頭の中はアジサイでいっぱいいっぱいになって、そろそろ座りたい・・・と思っていたら・・・。


なんと!!イスが置いてあるではないですか!!!
自然の中に、豊富なアジサイ。ゆっくり鑑賞しながら、時間も忘れて、のんびりと。
ただひたすらに癒される世界。リス村のきめ細やかな配慮に感激のひと時でした。

アジサイといえば鎌倉で、今までも何度か訪れて、アジサイよりも人を観察して終わったような記憶があります。でもリス村のアジサイの庭は、じっくり観ることができて、なんとも穏やかな時間が流れます。

最後に私のお気に入りのアジサイを一つ。


(ユカ)追伸、インドPART2はしばらく延期になりました。
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釣り竿の奥に。

2013年06月13日 | 火山・ジオパーク
先日アウトドア雑誌「GO OUT」と釣りの「ダイワ」さんの、日帰り取材に同行し、少しだけガイドさせてもらいました。

野田浜(水中がジオサイトにもなっている海岸)に集合。

皆さん腰に細長いものを巻き付けています。

これ、ワンタッチで広がる救命具なのだそうです。

軽量,コンパクトで驚きました。
今ってこういう時代なのですね~。

釣りの仕掛けをしている間に,少しだけ火山を紹介しました。
双眼鏡で、海岸の壁のシマシマを観察中。

「海岸の黒い岩は昔ドロドロに溶けた岩が流れて来て,それが冷え固まったものなんですよ」という話しに「へえ~」の声があがっていました。

テリハノイバラの花が満開で、白くて大きな花なのでキレイでした。

でも、棘だらけなんですよ~。

「あ、ツルナ!食べるとシャリシャリした触感なんですよね~。」と語りながらあたりを歩いていたら,溶岩チューブにレイアウトされたツルナを発見。

なんだかお洒落です!

10分ちょっとで釣りの仕掛けができたらしく、みなさん集合して準備に入りました。
しかし私は、足もとの地層が気になります(笑)

大小様々の溶岩粒が混じる地面。
「昔ここに土石流が流れたのかなぁ…。」

実は、ここまでで私の役目は終わったのですが、せっかく来たので皆さんの釣りを見学することにしました。突き出た溶岩の先まで歩いて行きます。

ゴツゴツの溶岩の表面は、長い年月の間に波に削られて想像以上に滑らかでした。
波の力ってすごいなぁ…。

潮が引いた溶岩の隙間には、様々な生き物が見つかります。
ギュっと縮んで潮が満ちるのを待つ,ウメボシイソギンチャク。

梅干しって…ぴったりなネーミングですよね。

蓋をして乾燥に耐えるフジツボ。

これでもエビやカニの仲間なんです。

穴だらけの溶岩を上手に利用しているな~と感心してしまうのがこちら。

タマキビの仲間。かつて地下でマグマがブクブク泡立ったことでできた小さな穴が、今ではタマキビたちの住まいに利用されているんだと思うとなんだか楽いです。

おお!ひときわ大きな岩発見!

こんな波打ち際でこの大きさで残るなんて,かつては相当大きな溶岩の塊だったに違いありません。
どうやってここに来たのでしょう?

そして,この場所に来るたびにホレボレするのは…

釣りをしている人たちの、向こうに見える緑の丘の左端にあるシマシマ。

ここは,今の大島の火山が誕生するよりもずっと昔(数10万年前?)に活動していた火山の中身が見えている場所です。

「黒い層ができたのは、ドロドロ溶岩が流れたからかも?
赤い層ができたのは、すごそばの火口から高温の溶岩が雨のように降り注いだからかも?
黄色い層ができたのは,モクモク火山灰が降り積もったからかも?
右側にある黒が層になっている部分は、別の火口から出て来たものかなぁ?
この地面ができた頃、ここにはどんな生き物がいたのかなぁ?」

「ああ、釣り竿の奥にドラマが見える~!」
…とまあこのように、ジオ好きになるとタダで一大スペクタクルを楽しめるので、大変お得です(笑)

ところで今回、ダイワさんからお土産をもらいました。
これ。

磯の生物を中に入れて観察できるポケットサイズのケースです。
定価450円で売っているとのこと。

カニの抜け殻を入れてみました。

スケールがついているのでサイズも測れます。
良い感じです~。

今回同行させてもらって「釣りは一カ所に長く留まるのでその分ジオもゆっくり楽しめる」ことに気がつきました。釣りと、磯観察と、ジオツアーの組み合わせ、なかなか楽しそうです!

(カナ)





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