大阪の小説家藤本義一の大阪商人を考える本。井原西鶴や近松門左衛門を引き合いに出して江戸時代の商人と今の商売とを対比ししながら商人を考察している。米を荷揚げする船着場に落ちた米を掃き集めて安く売って財をなした老婆の話など、いくつもエピソードが紹介させている。
店の習慣で正月に奉公人に鯛をふるまう、その鯛をみてある奉公人、丁稚が算盤を出したのを見た主人がその丁稚に「なぜ算盤を出すのか」と聞くと丁稚は一人当たりの値段を割り出していたという姿から、その丁稚を養子に迎えるという話などがある。この話は続きがあって、当の丁稚は「店の帳面をみせろ」と主人に要求して店に借金のないこと、財産の額を確認してから養子になることを承諾したという話である。いかにも大阪ならではのエピソードといえる。その他にも人生訓などもあり、経営者にとって参考になる。
店の習慣で正月に奉公人に鯛をふるまう、その鯛をみてある奉公人、丁稚が算盤を出したのを見た主人がその丁稚に「なぜ算盤を出すのか」と聞くと丁稚は一人当たりの値段を割り出していたという姿から、その丁稚を養子に迎えるという話などがある。この話は続きがあって、当の丁稚は「店の帳面をみせろ」と主人に要求して店に借金のないこと、財産の額を確認してから養子になることを承諾したという話である。いかにも大阪ならではのエピソードといえる。その他にも人生訓などもあり、経営者にとって参考になる。